#2951 闇狩り師 | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。

夢枕獏を知ったのは登記事務所でアルバイトしていた頃で、登記事務所の話は何度か書いた。重宝されたのは、車の免許を持っていたからで、よく測量助手に仁川のマンション予定地に運転に駆り出された。

現場に行く途中、ラジオで道上洋三が、夢枕獏の「魔獣狩り」を紹介した。

人の精神に入り込む、サイコダイバー九門鳳介が高野山から盗まれた空海の即身成仏(ミイラ)を、高野山の裏仕事を請け負う美貌の僧侶「裏高野の美空」とともに謎の教団「ぱんしがる」から取り戻す・・・その二人に獣人に指を食いちぎられた文成仙吉が交わる・・・

今までのSFと違い、伝奇的でバイオレンスでエロティシズムに溢れる内容が新鮮で、バイトの帰りに買って、バスに揺られながら読んだのを覚えている。

「魔獣狩り」シリーズより好きだったのは、むしろ「闇狩り師」の方で、こちらは、「祟られ屋」、「ミスター仙人」と呼ばれる九十九乱蔵が活躍する連作である。身長2m、体重125kg、小田原の円空山に住む仙人、真壁雲斎の弟子で、台湾に渡り、仙道と中国拳法のを学ぶ。悪霊払いを生業とし、ウインチ付きの旧型のランドクルーザー(豪華仕様のプラドではない)に乗り、シャモンという黒猫(実は猫又という妖怪)を肩にのせている。

その「闇狩り師」の文庫が1、2とも長らく絶版になっていたが、新装版で出版された。おそらく、徳間ノベルズ、徳間文庫、合本のハードカバーが出版あるので、図書館では購入しないと思うけれど・・・

ところで、九十九乱蔵の弟で、九十九三蔵が、「キマイラ」シリーズに登場し、主人公大鳳吼の友人として登場する。キマイラも、連載する雑誌が軒並み休刊し、ついには出版の朝日ソノラマもなくなり、最近は朝日新聞出版から出版されている。

「快男児」と「黄金仏」、「風果てる街」と「獅子の門」みたいに、相互に登場人物が関連するのが、夢枕獏の小説の楽しみだ。

こういう小説の他に、夢枕獏は「神々の山嶺」のような山岳小説も執筆していて、「呼ぶ山 夢枕獏山岳短編小説集」も先頃出版された。こちらは以前に発表されたものがほとんどだが、オカルトとかバイオレンスが苦手ならこちらがオススメ。


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