直接は見ていないが、Aさんからのメールで、「手紙」の樋口了一さんのお父さんと樋口さんのドキュメンタリーが放送されたのを知った。
前にチームMにいた頃、「樋口了一の『手紙』はありませんか?」と何度か問い合わせがあった。
父親がこどもに宛てて、介護されている私を叱らないで欲しい。愛情を持ってあなたを育てたように、あなたも私を見守っていてほしい手紙にしたためる。アコースティックで切々と樋口さんが歌う。静かにヒットし、話題にもなった。
当時、「手紙」という歌を聴いて、随分と綺麗事だなと思っていた。介護をしている者は、たまにでなく毎日、粗相の後処理の繰り返しで、愚痴も吐きたくなるし、叱りたくなる。偽らざる心情なのだ。子どもの時から、そんなに好きでもなかった親父の世話だからなおさらそう思った。
樋口さんのお父さんのことではなく、誰か他の方の手紙から、イメージを膨らまし、樋口さんが歌を作ったと聞いた。
樋口さんは自分の病気、パーキンソン病を伏せていたのは、曲に自分の病気が歪曲して話題になるのを恐れたそうだ、ご自身のブログに書いているのを読んだ。
今、病気を患っている樋口さんと認知症のお父さんを自分と親父に重ね合わせる。
でも、やはり、介護は綺麗事ですまされない。樋口さんもそれはよくわかっているはずだ。
手紙~親愛なる子供たちへ~/樋口了一

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