とにかく、『間違いだらけのクルマ選び』の著者であるこの徳大寺有恒というオッサンに感化された人は多いと思う。
あの北方謙三をマセラティに乗せたのはこのオッサンだ。北方謙三は『傷だらけのマセラティ』を書いている。まあ、初心者マークをつけたマセラティを運転した北方謙三も北方謙三だが、「君にはマセラティが似合う」と勧めた徳大寺有恒も徳大寺有恒だ。
クルマがクルマだけに留まらず、ステイタスや、文化や、ファッションまでに持ち込んだ張本人だった。確か、二玄社の「NAVI」や新潮社の「ENGINE」の監修をしていたと思う。
ところが、数年前、毎年出版していた『間違いだらけのクルマ選び』を執筆を止めた。乗るべきクルマがない、評論すべきクルマがないという理由だったと思う。ああ時代が終わったという気持ちがした。
そして、また来るべきときが来たとして、『間違いだらけのクルマ選び2011』が刊行された。残念ながら、総論とミニコラムというべきところを徳大寺が、個々のクルマについては弟子ともいうべき評論家島下泰久が新しいパートナーとして書いている。
徳大寺有恒も70を越えたしたなあ。全部のクルマに評論を書くのは無理だろう。でも、白洲次郎は、70越えてもポルシェを乗ってたけどな・・・
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