タッタへ
誕生日おめでとう。大変なときに、三宅兄ちゃんとお母さんが喧嘩してごめんな。
お母さんも三宅じいちゃんの娘だから、たまでなくて、ちゃんと三宅じいちゃんの面倒を見て欲しいと考えています。
三宅じいちゃんを一人で三宅兄ちゃんが世話するのは大変です。タッタの家にはおおじいちゃんやおおばあちゃん、おじいちゃんがいたけど、家族みんなで見てきたと思います。
介護するには、今、三宅兄ちゃんには介護サービスが必要です。けれども、お母さんは三宅じいちゃんを甘やかし、わがままにしてしまいました。せっかく受けていたサービスを辞めさせてしまったのです。
無関心だった三宅兄ちゃんも悪い。お母さんの言うとおり、おじいちゃんが稼いだお金、年金を何に使おうが自由です。でも、おじいちゃんには必要なサービスだったのです。
タッタはまだ実感がわかないかもしれません。でも、お父さんやお母さんが三宅じいちゃんくらいの歳になると、タッタも介護をしなければならないかもしれません。
ニイニイは東京で就職したので、その頃は帰れないかもしれません。ニイニイのお嫁さんの家族の世話をしなくてはいけなくなり、タッタとタッタのお嫁さんが次男坊でも面倒みなくてはいけなくなるかもしれません。
三宅じいちゃんが嫌いでも、兄ちゃんはじいちゃんの息子です。面倒をみなければいけません。兄ちゃんは、タッタの家族でないから、じいちゃんが死んだら一人で自分の死ぬ準備をしなければいけません。
もし、兄ちゃんが死んだら、能登のTOSHIおじちゃんに連絡してください。TOSHIおじちゃんには常々兄ちゃんのお葬式を頼んでいます。
それから、何人かの人に連絡をとってください。ほとんどの人は兄ちゃんの携帯に番号があります。
長崎諫早出身のおそらく武庫之荘に住んでいるだろうI.Tさん、Sさん姉妹。西宮のHさん。羽曳野のTさん、この人はひょっとして亡くなっているかも知れない。もし亡くなっているなら、Tさんのお墓を代わりに参って欲しい。奈良学園前のMさん。大津にいるKさん。阿倍野のLで尋ねたら、連絡先を教えてくれるはず。大和高田のOさん、携帯の番号が違っていたら、Bという店で聞いてくれたら、わかるはず。
もし、つけがあると言われたら、払ってください。綺麗な飲み方をしてきたつもりですが、いろいろ教えてもらった授業料です。
まだまだ伝えてなきゃいけないことはあるけど、一度に覚えられないよな。タッタの倍ほど生きているということは、タッタの倍ほど死ぬ準備しなければいけないことなんだ。
これから、ばら色の未来なはずだけど、大人のことを任せられる歳になったはず。頼んだよ。