正月は喪中のため、初詣にいけず、テレビの特番は面白くなく。スタジオから、帰ってから、また鬼平。
コレクションの中から、ランダムにピックアップしたのは、『あきれた奴』。
同心岡村啓次郎は、身投げをしようとする母子を助ける。
母子は自分が捕らえた盗賊鹿留の又八の妻子だった。
妻を娶り、盗賊稼業に足を洗った又八だが、やむにやまれず事情に雨畑の紋三郎に手を貸す。
しかし、紋三郎は、押し入った寺の小僧を殺害し、止めに入った又八だけが岡村に捕らえる。
事情を知った岡村は、又八を牢から出し、妻子に会わせる。その帰り道、又八は岡村の隙を見て逃げだす。
平蔵は岡村を牢に入れ謹慎を命じる。誰も岡村の世話をしてはいけないと厳命する。
半年後、月代も、髭も伸びきったころ、又八が紋三郎を捕らえて棺桶に入れて、帰ってきた。
紋三郎の女が、島田の宿におり、会いに行くのを待ち構えていたのだ。
又八は岡村に恩義を感じ、紋三郎を捕らえなければ死んでも死に切れないと平蔵に話す。
岡村と又八をみて、平蔵は、「二人とも、あきれた奴だ」と苦笑いをする。
岡村啓次郎は中村橋蔵、鹿留の又八は平泉成が演じた。原作では岡村啓次郎でなく、小柳安五郎のはなし。
妻子を亡くした小柳は、又八の女房に、自分の妻をだぶらしたのかも知れない。小柳は後に平蔵の異母妹のお園を妻にする。
このはなしは『鬼平犯科帳(八)』に収録されている。
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