
こどもの頃、あんまり裕福じゃなかったので、うなぎを食べたことがなかった。
10歳のとき、父の姉、C伯母にご馳走になった。それ以来うなぎ好き。まだその頃は養殖うなぎは浸透しておらず、母は、伯母に「子どもに贅沢を教えないで欲しい」と懇願したらしい。
今日は土用の丑の日。
朝から医療機関と金融機関を駆けずり廻り、お昼間、うなぎの「双葉」に行ったが、さすがにいっぱいであきらめた。
大阪を長く離れると、食べたくなるのは、あべの筋の「双葉」のうなぎか、ステーションビルの「川久」のうなぎだった。残念ながら「川久」がなくなり、うなぎは「双葉」一本になった。
小学生六年のとき、大谷高校で行われた模試の帰りに、双葉でうなぎを食べ、ユーゴー書店でポプラ社の少年探偵団シリーズの「電人M」を母に買ってもらった。
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うなぎを食べさせるの嫌がり、探偵小説(ミステリーの昔風の言い方)を読むのを嫌がっていた母が行った例外続きの出来事だった。
「双葉」の場所はあべの筋から、みずほ信託銀行の裏に移転している。昔のあべのを知っている人に説明すると、あべのスキャンダルの跡だと言えばわかるだろうか?
大阪では、土用にはらわたが暑さで腐らないように、あんころ餅を食べる風習がある。あきらめて、土用のはらわた餅におはぎを買った。双葉にはおはぎも売っている。