父の姉、C伯母の亭主であったH伯父が亡くなったのは小学校三年生の秋祭りの宵宮、今日だった。
日にちが定かじゃなかったが、従姉妹たちが親父の見舞いに来たときに確認した。
話は変わって、ウォレットにチェーンをつけている。この歳で高橋ヒロシの漫画の影響は恥ずかしいのだが、親父は軍人だったH伯父さんがサーベルを腰に繋いでいた紐を思い出すらしい。そのことを仕切に口にする。
軍馬の世話をする係だった伯父は調教がてらに嫁の実家に行き、馬にかいばを与えたり、水を飲ますのを親父にさせていたらしい。
そんな軍人だった頃の伯父の写真は戦犯追求の難を恐れ一枚残らず焼き棄てたらしい。戦場に行っていなかった者も戦争加担の罪に怯えた。
戦後半世紀以上過ぎて、些細なことが、昔の記憶を蘇らす。毎日聞かされるのはちとつらいが・・・