
関係者と別れて二ヶ月たった。別に悲しみにくれるというわけではない。もともと頻繁に会っていたわけではないし、この四年ほどは会ったり会わなかったりなので、また依りをもどすのではないかと淡い考えを持っていた。
逆にUMAや関係者の妹のSちゃんが心配してくれた。UMAなんかはワンワン泣いて、逆になだめるのが大変だった。姉のように慕っていたし、当然結婚すると思っていたようだ。
離婚が成立した日、二人で話し合った。六ヶ月後籍を入れるかどうかだ。
彼女は自分の店を持って独立したい。そのためには腕をあげたい。稼いでお金を貯めたい。
そのためには、仕事は辞めたくない。介護はできないし、新しい家族を持つのは怖いし、不安だ。
僕は僕で好きではないけれど、自分の父親だから自分でみたい。できれば施設に入れず自分で在宅介護をしたい。
彼女は家庭に失望し、仕事に夢を託そうした。僕は今仕事に失望しかけ、結婚や家庭に夢を託そうとしている。世間で言うところの「価値観の相違」が原因だ。
今、結婚願望がないと言えば嘘になる。誰かが自分の人生の終末に立ち会ってくれればそれでいい・・・