#771 タヌキの音吉、キツネの幸助 | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。

E先生のところで、診察を待っているあいだ、自転車屋のTのおばあちゃんに会った。もうかなりのお年と思ったら、九十歳になったそうだ。孫はおろか、ひ孫もいるそうだ。

長々と世間話をしたあとで、こう切り出された。
「ところで、あんたどなたでしたかな?」
ガクッと来た。ダウンガーン
「Mです。Tさん(親父の愛称)の息子です。」

「ああ~、Dの川筋の・・・」

懐かしい地名だ。Dの川は家の前を流れていた川で、今は下水になり地下に潜った。流れていく先のS池も埋められて、スーパーSが建った。

その昔、川筋の住吉さんのお社にタヌキが住んでいたそうだ。「Dの川の音吉」と呼ばれたそうだ。南の一里塚には、「一里塚の幸助」というキツネがいた。

Tのおばあちゃんが生まれるもっと前の話しだ。