
琵琶湖畔のPホテルに泊まったことがあった。今から十年ほど前のことだ。
駅からタクシーを使った。
「お客さん、大阪?」
「ええ、M原いうとこですわ」
「えっ、M原のどこ?」
「M宅です」
「本当?俺B所やねん」
どうやら隣町の出身らしい。
歳の話になって、タメだとわかった。
「N中?」
「そう。今はM宅もB所もY中やけど」
「T、知ってるやろ?」
ヤンチャな名前が出た。
この人もヤンチャやってたんやな・・・
「さっきな、Pホテルまで、送ってん。」
偶然一緒の宿泊先だ。TのHちゃんは小学校から同級生で母親どうし仲が良かった。
ホテルに着いて、連絡して一緒にご飯を食べて、酒を飲んだ。
「なんでここ泊まってるの知ったんや」
タクシーの運ちゃんの話しをした。
「あいつ、そんなこと一言も言わへんかったで」
「昔よっぽど怖かったんとちゃうか」
昔は、随分たかられたが、大人になって罪滅ぼしと思ったか、ごちそうになった。