#499 名残り雪 | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。

ここ数日寒いですね。
ちょっと風邪気味のGUILEです。

まあ、日頃の不摂生とここ数日の無理が祟ったんでしょう。

昭和XX年3月26日、大阪では積もる勢いで雪が降ったそうです。

その雪の中を真っ白な打ち掛けを着て一人の女性が嫁いでいきました。

「こんな春の日でも雪はふるんよ」
彼女は生前、花冷えをする春の日にはこう言ったものでした・・・

3月26日は父母の結婚記念日です。

亡くなる年の結婚記念日、三人でお寿司を食べました。
そのころはガンが転移して、やっと一貫食べてくれました。

「来年は○婚式だから、盛大にお祝いしてね」
告知しなかったけど、おそらく死期が間近だったことを知っていたと思います。この三週間後、最後の入院をして、5月に亡くなりました。

姉が、イルカの「なごり雪」が好きで家族でカセットに吹き込んだことがあります。親父の調子外れの声、姉のキンキン声、僕の始めたばかりの下手なギター。母のすました声がはいってます。

母の生前唯一の声。今では泣けてきそうになるので、聞くことができません。