スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏がドル相場について語った。
「米ドルは他通貨、金などハード・カレンシー、おそらくビットコインなどに対して高くなっている。もしもFRBが積極的に金融緩和を始めたら、ドルは下がるだろう。現在のドル相場はどうみても割高だ。もしもドルが下がれば、ドルの買い手は潜在的・継続中のドル安に対して対価を求めるだろう。」
ファーバー氏がThe Income Generation Showで超低金利の世界への感慨を語った。
「今日の問題は、資産市場が大きく膨張している点だ。人々はインフレの話をする時CPIなどの数字で議論する。しかし、インフレとは過剰な貨幣の増大を表しており、それは賃金、コモディティ、資産価格、消費者物価に現れる。」
「この膨張した資産市場が一たび膨張できなくなると、それが景気後退をもたらす。
つまり、実体経済が資産市場・株式市場に影響を及ぼすのではなく、株式市場・不動産市場・概して資産市場が実体経済に影響を及ぼすのだ。」
また、「ドル安となってもどこかに均衡点があるのでは?」と番組MCが問いかけ、それに対して、ファーバー氏は慎重にリスク・シナリオに言及した。
「わからない。1970年代のようなドル安になれば、インフレが昂進し、米ドルからの逃避が起こる。」
「一たびドル安になれば、こうした(日欧からの)マネーが米ドルから逃避し、米資本市場に影響を及ぼす。しかし、誰より早く認めておくが、それがどうやっていつ起こるかはわからない。それでも、現在はとても人為的な状況であり、いい形で終わりそうにない。」
「これは人類史上最大の経済学的実験なんだ。
金利がこんなに低いことなどなかったのだから。」