青 | 友よ 私が死んで土に還ったら その土で器を造ってくれ。 その器でお茶を飲む時 私の事を想い出してくれ。       

友よ 私が死んで土に還ったら その土で器を造ってくれ。 その器でお茶を飲む時 私の事を想い出してくれ。       

I'm just stuck with something beyond my control. Do I deserve it, called HIV?
Don't waste your time, even if the world is unfair. We were born in defferent shapes, places and times, but we were born equally. That's how we are.

先週は、再び@実家。  無人の実家。

故人が何処かに居るような気がするなんて、そんな筈は無い。  永遠に行ってしまって、何処にも居ないのだ。

 

無人の実家の維持費軽減の為に継続しているのは電気と水道だけ。  格安SIMのインターネットも非力だ。  不便この上ないのだが、それでもこの寒い主の居ない家に帰って来た。

 

今更何度家に帰っても、これから何年経とうと、自分を許せないことに変わりはない。

 

自分で悔いているだけならまだ良いが、兄のところには、「なぜ引き取らなかったか、独りで死なせたか」、と外野の騒音が聞こえているらしい。

そんな事言われなくても、一人暮らしの父の事は考えてたさ。

 

切羽詰まらないと事を起こせない性分の駄々っ子も、さすがに今後の身の振り先を考える。  上の世代がみんな逝ってしまったからね。  後は僕ら兄弟だけになった。

 

先の記事で仕事を卒業する事を書いたが、色々と数字を弾いて、次の夏で辞めることにした。  失業給付金の出る期間や引っ越しのことを鑑みて、夏以降もちょぼっとバイトはするけれど。  辞めると決めてさっぱりした。  仕事は生き甲斐じゃなかったね。

 

誰が、何時、いってしまうか分からない年に成ったから、仕事には拘束されない選択をしようと思う。

 

更に繰り上げて引退する事を兄に告げたところ、「いつでも好きなところで辞めたら良い」。

そう言うと思っていた。  本当にうちの人達は、何かをするなとか、こうでなきゃいけないとか言わない。  おかげでのらりくらりと生きて来た。

 

「お金が足らなきゃ、お父ちゃんの遺産で食っていけば良い」。  他所の兄ちゃんはそんな風には言わないのかも知れないが。  「もっと働け」って。

 

辞めて何をするって計画はないのだが。

 

 

実家に帰るとすぐにお隣の畑に食料調達に行くのだが。  白菜と葱と水菜と春菊は鍋に。  大根は柚子と漬物に。  キャベツはお好み焼きやラーメンに。

 

そしてこんなものも。

 

 

左から、大根葉をさっと茹でて、塩をしたもの、菜っ葉ご飯の素。  下のがパクチーの塩オイル漬け。  右上のは葱の青いところの塩オイル漬け。  奴に載せたり、焼き飯に入れたり、鍋の薬味に。  やっぱり、ローテクな手作業が性に合っていると思う。

 

野菜だって命を頂くのだから、皮や根や葉っぱも無駄にするものでない。  パクチーの根やパパイヤの種とか、捨ててしまうのがあほらしいものがいっぱいある。  捨てる為にはお金も資源も労力も要るからね。

 

 

実はね、写真の市松のこたつ掛けはおっさんのお手製である。  ペーペーの駆け出しキルターだった30年以上前のもので、安直な市松模様だけど、ちゃんとステッチをかけてあるし、今でも使える。  行楽の敷物にも重宝した。

 

父の衣類は大方処分したのだが、シャツは残しておいた。 自分のアパレル時代のシャツも山のように眠っているのと合わせて、白っぽいキルトを作ろうと思う。

 

緩~い、スローな断捨離をしながら、やりたいことが出来たらすればいい、くらいの隠居を始めよう。  もちろん海外にも行くよ。  体力のあるうちにね。

 

兄が泊まりで帰ってきた。  退職する事と、実家を建て替える事は決めたら、取り立てて議論することもない。  遺産の話もついている。  揉める話はないのだから、飯を食って、酒を飲んで、だらだらするだけだ。

 

でも、人がそこに居るってことは、物理的にも温かいのだが、気持ちも温まる。

父が死ぬまで、なんで色んな事をすっ飛ばして生きてきたのか。  それを思うと、生活に困らないなら、仕事はもういいや、そう思う。

 

普段は何とかちゃんとやっているつもりだが、兄がお泊まりの後自宅に帰り、また暫く無人になる実家を片付けて、鍵を掛けて出ていく時は、全然大丈夫じゃないのだ。  もう戻って来ないものが多すぎて苦しくなる。

 

だから、兄の帰り際にお願いをした。  「ハグしてしれない?」。

面食らった様子だったが。

 

幾つになっても手の掛かるちびちゃんの気持ちを分かってくれる兄で良かった。