7月17日、ハイチのガリ・コニーユ首相は国民向けの演説で、この数ヶ月間、ギャングの支配によって混乱状態となっている都市にたいして、非常事態を宣言したと発表した。

 

「当局はギャングの支配下にある14の都市にたいして、非常事態を宣言した」と首相は宣言した。「非常事態によって、政府はギャングと対決するための手段を得ることができ、国家のコントロールを回復することが出来る」。

 

演説の少し前、政府筋がAFP通信に伝えたところでは、この措置の影響を受けるのは首都ポルトープランスを含む西部県、首都北方のアルティボニト県である。

 

これら2つの地方は、ハイチの武装組織の活動の、もっとも影響を受けているところで、ポルトープランスの80%が支配下に置かれ、これらのグループによる殺人、強姦、略奪、誘拐が横行している。

 

コニーユがソーシャルネットのビデオで演説した同じ日、ハイチのエリート部隊とケニア警察は、ポルトープランスの中心部を、装甲車でパトロールした。

 

装甲車両は国家宮殿周辺と首都のそのほかの地域をパトロールしたが、ハイチ警察筋は匿名を希望し、また作戦の目的について、詳細を明らかにしなかった。

 

ケニア警察は国連の多国籍治安支援部隊の枠組で、これまでに400人(6月25日に200人、7月16日に200人)が到着しているが、今後数週間以内にさらに600人が合流することになっている。

 

このミッションの目的は最初に1年間の期間で、ハイチ警察を助けて、ギャングの暴力によってカオス状態になっている治安を回復することにある。

 

ケニアの他にもバングラデシュ、ベニン、チャド、バハマ、バルバドスなどが派遣を計画しており、外国治安部隊は全体として2,500人になる予定である。

 

米国はこれら部隊の展開を、資金面、物量面で支援しているが、自国軍隊派遣の可能性は否定している。

 

コニーユは7月17日、「われわれが策定した計画に基づいて、ギャング支配下の地域において、国家警察、ハイチ軍、ケニア警察が作戦を実行することを承認した」と語った。「最終的な目的は、ギャングが支配するすべての地域を、家から家へ、地区から地区へ、街から街へ、奪い返すことだ」。

 

ハイチは随分前から、武装グループの暴力に苦しんできたが、特に2月の末から状況は悪化した。いくつものギャングが同盟を結び、首都の戦略的な場所、たとえば警察署、刑務所、空港を襲撃し、当時のアリエル・アンリ首相を辞任させようとした。

 

この問題のある前首相は、最終的に辞任に追い込まれた。そして暫定大統領評議会という機関が権力を引き受け、ハイチの治安回復、暴力によって引き起こされている深刻な人道危機を終わらせるという、困難な仕事を引き受けることになった。

(通算4073)(La Jornadaの"Decreta Haiti estado de emergencia en ciudades controladas por pandillas"による)