6月16日、ウクライナとロシアのあいだの和平をめぐる首脳会談が終了したが、メキシコ、ブラジル、コロンビア、このほか9カ国が合意文書に署名しなかった。宣言のなかでは、キエフの独立と、この侵略されたスラブ国家の領土主権にたいする支持が再確認され、戦争を終結するために、ヴォロディミル・ゼレンスキ大統領の政府が、ヴラジミル・プーチン大統領と対話をしなければならないと指摘している。
スイスでおこなわれた会談において、約80カ国が、「すべての関係国」の対話とウクライナの領土保全の尊重が、2年以上前にロシアの侵略で始まった戦争を終わらせるための、道に繋がることを承認した。
最終文書で合意された主要な点は、以下のテーマであった:核の安全、海の通航、戦争捕虜の解放である。
しかしブルゲンシュトックで開催された会議には、ロシアも中国も参加しなかった。サミットに出席した90カ国以上の国の多数が、最終文書に賛成した。そこではロシアに拉致された数千人のウクライナの子どもたちを、帰還させることが要求された。
会議を主宰したスイスのヴィオラ・アムヘルト大統領は、会議終了時の記者会見で、参加国の「大多数」が最終文書を受け入れたことについて、「外交が成し遂げることができることをしめした」と指摘した。
しかしスイスのイニャツィオ・カシス外相は、「6月16日に採択された決定は、ロシアの参加なしには、実行することはできない」と述べた。
スイス連邦議会は、この会議へのロシアの参加を予定していなかったのだが、「このプロセスのときが来れば、(会議への)ロシアが参加するであろうことを約束した」とカシスは続けた。
目標は一度に達成されるものではない
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、会議が「平和への道」と名づけられたのは、このプロセスが一挙に達成されるものではないからであると指摘した。
「それは和平交渉ではなかった。なぜなら(ロシア大統領のウラジミル・)プーチンは、戦争を終わらせることに真剣ではない。かれは降伏を要求している。かれはウクライナ領の割譲を要求していて、それには現在モスクワが占領していない部分も含まれている」。
ウクライナは、ロシアが「領土保全を尊重する場合」いつでも交渉を開始する用意があると、ゼレンスキは表明した。
しかし首脳会議が終了した直後、ウクライナ大統領は、ロシアとその指導者が「プーチンが交渉を開始するためには、事実上ウクライナの降伏を要求していることは、公正な平和のための用意がない」ものと断じた。
サミット終了後の記者会見で、ゼレンスキはロシアが、「われわれの領土から撤退するならば、明日にでも和平交渉を開始」できると主張した。
2022年10月、ゼレンスキはウクライナはプーチン大統領とのあいだで、いかなる対話をおこなうことも「不可能」であるという宣言に署名したが、ロシアとの対話の門は開かれていると述べている。
「かれ(プーチン)は尊厳、誠実さというものを知らない。したがってわれわれはロシアとの対話の用意はあるが、別の指導者とのだ」、このときウクライナ大統領は主張していた。
ロシア政府は6月14日のプーチンの表明について、それは「最後通牒」を意味するものではなく、「現地の現実を考慮した上での、和平提案である」と明らかにした。
ロシア大統領が提起した条件とは、ウクライナ政府が交渉開始に当たって受け入れられるものではなく、降伏に等しく、国際社会がウクライナの一部と認めている領土を放棄するものであった。
戦場では、ロシアはウクライナ南部の別の村を占領したと主張し、人員も弾薬も不足しているウクライナ軍にたいして、前線に沿ってゆっくりと前進していると、AFP通信は報じている。
ロシア国防省の発表では、「東部軍がザポリージャ地方のザヒルネ市を解放し、より有利な地点を占領した」ということである。
(通算4061) (La Jornadaの"Mexico y 12 paises acuerdo en cumbre sobre Ucrania"による)
(foto:EFE)