農業組合、住民たちは、6月10日、ボリビアの東部と西部を繋ぐ重要な自動車道路の封鎖を維持した。かれらは自動車道路を建設するという要求に、政府が対応しないならば、油田を占拠すると脅している。社会的紛争は激化してきており、ルイス・アルセ政権は、その原因を政治的動機にあると決めつけている。

 

同時に隣接するエル・アルトのトラック運転手たちは、燃料の供給不足、その他の要求に抗議して、ラパスと国のその他の地域を結ぶ道路を封鎖した。同じ日の終わりには、隣接するサンタクルスとコチャバンバの住民たちが、生活費の高騰に抗議して、カセロラ[鍋叩き]の行進を呼びかけた。

 

「われわれは監視をおこなっている。もし政府がわれわれの要求を聞かないならば、われわれは油田を占拠して、バルブを閉めるだろう。われわれはもう、約束が守られないことに我慢ができない」、ボリビア東部、サンタクルス北の炭化水素、油田の外で、住民のリーダー、フアン・ラモスは語った。

 

デモ隊はヤパカニ地方に属し、サンタクルスと繋がる道を封鎖している。彼らの要求はサンタクルスの県都と、この地方を結ぶ別の自動車道路の建設である。

 

「これはエボ・モラレス(前大統領)の個人的利益に基づく、政治的道路封鎖である」、エドガル・モンタニョ公共事業・運輸大臣は、記者会見のなかで語った。モラレスとアルセは、与党「社会主義運動」(MAS)の主導権をめぐって対立しており、両者ともに2025年の大統領選挙で、同党から立候補する意向を明らかにしている。

 

ボリビアは経済情勢が悪化するなか、社会的、政治的紛争に直面している。燃料問題をめぐるトラック運転手の抗議行動は、日常茶飯事となっている。「ある日はディーゼルがあり、別の日にはない。このような状態では続けられない」、指導者のウィリー・アヤラは語った。

 

輸出の減少と外貨準備の減少から、輸入するためのドルが減少しはじめ、政府は補助金を支出した価格での、ディーゼルやガソリンを供給することに、困難な状況になっている。

 

抗議行動には、生活費の高騰に怒る主婦層も加わっている。マルセロ・モンテネグロ経済相は、食料品のある部分の価格の上昇は、気候変動、アルゼンチン、ペルーなどへの密輸、あるいは投機によるものと説明する。「これは一時的な問題だ」と強調した。

 

一方でMAS内部の危機は、立法議会の麻痺状態を引き起こした。アルセは議会内多数派のヘゲモニーを失い、経済危機解決のための債券発行が承認されない。大統領はモラレスにたいして、経済をボイコットし、中道・右派政党と共謀して、大統領権限の「縮小」をおこなっていると非難した。

 

先週アルセはロシアで開催された国際フォーラムに出席し、ウラジミル・プーチンに、ディーゼル燃料の供給支援を要請した。

 

与党内の完全な分裂を受けて、モラレスが指導する分派は、6月10日、支持者による大会を招集し、モラレスがMASの指導者であること、そして党の大統領候補であることを宣言したが、選挙裁判所は、党規約の要件を満たしていないと、この会議の正統性を承認していない。

(通算4054) (La Jornadaの"Conflictos sociales y politicos acorralan a Luis Arce en Bolivia"による)