「前進する自由」(LA)のハビエル・ミレイ大統領の政権が発足して6ヶ月が経過した。11月の第2回投票では右派の「変化のためにともに」(AJC)の支持を得たのだが、この選挙連合は現在分裂している。アルゼンチンの現在の状況は、深刻な危機のなかにある。経済は不況で、失業は急増し、55%以上の住民が貧困となり、極貧率は倍増し18%以上になった。一方で上院議員にたいして、脅迫と汚職同然の利益供与により、いわゆる「基本法」(Ley de Bases)に賛成するように強いているが、これは略奪と国を売り渡すことを意味し、その審議は6月13日におこなわれることになる。

 

この国を統治してきた政党を「カーストと闘う」と呼び、選挙戦ではチェーンソーを振り回すパフォーマンスをおこなったのだが、結局闘った相手とは、大多数の民衆、労働者、年金者、病人、障がい者、女性、フェミサイドの犠牲者たちだった。歴史否定論の演説をおこない、人権団体を破壊しようとした。これらの運動体のおかげで、アルゼンチンは、不処罰との闘いで、世界でも飛び抜けた地位にあったのである。

 

それはアルゼン史上でも最悪の政府で、わずか6ヶ月のあいだに、医療、教育、社会支援、文化、そのほかの機関と制度を乱暴に破壊し、その主要な目的は、アルゼンチンを、米国とイスラエルの利益に従わせるものだった。

 

ミレイはとくにイスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相と親しく、国際機関において、パレスチナ国家創設に反対する票を投じたり、その外交政策において、憲法に定められた原則を犯した行動をおこなっている。

 

国内政策では、首都と地方の州との溝を深め、連邦主義の否定と19世紀への後退をおこない、知事たちに見合った共同参画(資源の配分について)を否定し、かれらの州の消滅を脅している。

 

『パヒナ12』紙に掲載された最新の世論調査によると、「回答した10人のうち7人が、大統領のイメージは甚だしく低下したと答えており、これは歴代の6ヶ月時点でのかれ以外の大統領と比較して、非常に低いものである」。

 

ミレイにたいするネガティブなイメージは55%である。「かれにたいするネガティブな印象は、ポジティブなものよりも多く、6月10日に就任6ヶ月を迎えて、歴代の大統領のイメージと比較して-マウリシオ・マクリ、クリスティナ・キルチネル、アルベルト・フェルナンデス-非常に低く、かれに投票した人々のなかでも、支持を失っている」。

 

現在「基本法」への投票を得ようとしているなかで、かれは「財政を悪化させたもの」と呼ぶ野党議員だけではなく、裁判所とも衝突している。新しく首相になったギジェルモ・フランコスは、裁判所にたいして疑問を出した。「裁判所が政府の決定にたいして、介入する権利など持っているものだろうか?」。これは人材省が配分するべき食料を倉庫に何トンも留め置いたことにたいし、裁判所が分配するように命じたことをさす。

 

ミレイは6月13日に欧州に向け出発する予定であるが、この日は上院において、「基本法」の不適切な部分にたいして、審議がおこなわれる日であり、また大規模動員が予定されている日でもある。これには労働組合ナショナルセンター、そのほかの組合、学生、大学教員、そして社会運動団体が加わるものと思われる。

(通算4053) (La JornadaのStella Calloniの"Argentina sumida en la crisis a seis meses de mandato de Milei"による)

 

(foto:NA)