中国の習近平国家主席は6月7日、北京で、ブラジルのジェラルド・アルクミン副大統領と会談し、中国とブラジルの結びつきは、2国間の関係をはるかに超え、発展途上諸国の利益を共同して守るものであると強調した。
新華社通信によると、今年両国の外交関係50周年を迎えて、習は、両国が様々な分野での交流と協力を強化しなければならないと強調した。この分野には立法機関、政党、地方政府、文化、教育、観光業、青少年が含まれる。これらのテーマについて、相互協定が調印され、覚書が交わされた。
中国主席は述べた、「現在世界は、これまでの100年間で見たこともない、重要な変化に直面している｣。「発展途上国として、また重要な経済の新興国として、中国とブラジルの繋がりは、2国間関係を超えて、発展途上国間の連帯と協力を推進するための、また世界の平和と安定のためのモデルである｣。
「包括的で持続可能な成長｣
一方アルクミンは、中国主席にたいして、6月5日から6日にかけて北京で開催された、第7回中国－ブラジル協力・調整高位級委員会全体会議(COSBAN)について報告をおこなった。新華社によると、「ブラジル副大統領は、包括的、持続可能な成長についての、ブラジル政府の約束をしめし、中国との開発戦略の調整を強化する希望を表明した」。
アルクミンは、中国企業がブラジル国内で投資をおこなうことを受け入れる用意があると強調した。とりわけインフラ、農業、鉱山、電気自動車、気候変動との闘いの分野である。さらにブラジルは、中国と協力して、両国関係を新しい高いレベルに引上げること、より平和で、公正で、持続可能なな世界構築に貢献する用意があることを説明した。この流れでブラジル副大統領は、多国間主義と自由貿易を共通して守り、両国の協力のための可能性と、幅広い展望について強調された。
アルクミンは6月6日、韓正国家副主席と会談し、両国の関係が世界的に重要であること、中国とのあいだの意思疎通と協調を強化することを約束した。両指導者は会談ののち、覚書に署名し、二国間投資、農産物の検査・検疫、生産能力での協力、保険分野での規制、証券・先物の監視、中小企業の支援など、いくつもの協力の合意に立会った。
投資の拡大
アルクミンは中国訪問中に、中国の製薬会社、シノバックのブラジルが、ワクチン製造と細胞治療の開発のために、1億ドルを投資することを発表した。またブラジルのジウマ・フセフ元大統領とともに、BRICSグループの新しい開発銀行が、ブラジルのリオ・グランデ・ド・スル州を支援するために、4億9100万ドルを支出する合意をおこなった。この金額は、最近壊滅的な洪水の被害を蒙った州の、道路、橋などインフラの再建のために向けられる。副大統領がソーシャルネット上で明らかにした。
フセフはみずからが総裁を務める銀行の、持続可能な発展のための役割を強調し、融資条件の柔軟さもしめした。ブラジル政府のウェブページに載ったコミュニケによると、「この重大な状況において、再建のために完全な基準を確定することの難しさを認識している」と。また元大統領は、BRICSの銀行は、資金の融資先について監視するシステムを持っているが、その使用を制限するものではないと述べた。
アルクミンは今週、中国との貿易量について、2004年には90億ドルであったものが、2023年には1570億ドルに、17倍に拡大したと強調した。「次の50年間では、この戦略的協力を深め、雇用と所得を増やすために相互の投資を拡大し、われわれの民衆が繁栄し、貧困と闘うために、発展することを望んでいる｣、産業貿易大臣を兼務しているかれは強調した。
貿易パートナー
昨年政権に復帰して以来、ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領は、米国との関係を維持しながら、同時に中国との結びつきを強化し改善しようとする、微妙なバランスを取ってきた。ブラジルは中国とともに、ロシアにたいする制裁に反対し、仲介者の立場を模索してきた。
アルクミンの北京訪問は、ブラジルが中国の重要なインフラプロジェクトである「一帯一路構想」に、参加する道を開くものと期待されていた。習主席が中国の影響力を拡大しようとする、外交の軸であるこのプロジェクトには、これまで多くのラテンアメリカ諸国が加わっており、それにはアルゼンチン、チリ、ボリビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラなどが含まれている。しかしブラジルはまだ、調印をおこなっていない。
公式データによると、2008年以来、中国は南米で、最大の貿易相手国になっており、なによりも半導体、携帯電話、医薬品などを輸出している。一方で中国市場は、2023年にはブラジルの輸出の30％を占めており、その額は1040億ドル、その大部分は、食料品、原材料で占められている。
（通算4052) （Pagina12の"China y Brasil profundizaron sus relaciones bilaterales con la firma de 15 acuerdos"による）
(foto:AFP)