6月1日、エルサルバドルのナイブ・ブケレ大統領は、今後さらに5年間の、連続2期目の大統領に就任した。かれには中米でもっとも小さなこの国の、貧困指標の減少と、国家財政を上向かせるという課題を担っている。「苦いクスリ」も飲まなければならない、大統領は前もって釘を刺した。

 

2月の初旬、ブケレは大統領選挙で投票の84.6%という、圧倒的な勝利を収めたのだが、野党や国際社会の一部は、憲法には継続しての再選は禁止されていると、この選挙にたいして告発をおこなった。

 

この議論の的になる42歳の元出版業者、かれの人気は2019年、第1期が始まったときからで、ギャングを相手にした戦争で一躍有名となり、非常事態宣言をおこなったのち、2年の後に殺人事件件数を87%減少させ、エルサルバドルを世界でももっとも安全な国にした。

 

この措置は広範に支持されているのだが、弱体化した野党と、いくつもの人権団体は、しばしば証拠もなく逮捕がおこなわれ、この国の成人人口の2.5%が、逮捕されたと批判している。

 

より安全が住民たちに確保されたことによって、600万人エルサルバドル人の、現在の主要な関心は、生活費の高騰と、失業である。現在の貧困状態は、この5年以上見たことのないものであった。

 

ブケレは現在のエルサルバドルの状態を、いくつもの病に罹り治療中の患者に例えて、ギャングという癌の治療が終わった現在、これからは別の病気を、たとえば経済状態などと闘い、これを回復させると約束した。

 

「現在もっとも緊急であった問題、治安についてすでに解決したのであって、これからは別の重要な問題に集中しよう、経済の問題から始めよう」、ブケレは就任演説で語った。「おそらくこの新しい治療、経済の回復では、おそらく苦いクスリを飲まなければならないだろう」。

 

「これはあなたたちが選んだ処方箋です。この処方箋は結果を出している」。就任した大統領は続けたが、その詳細は語らなかった。どのような措置を取るかについては。

 

最新の10年間で、エルサルバドルの貧困率は50%近くのレベルから、ブケレが就任した2019年には30%まで減少した。しかしながらこの若い大統領は、この指標をさらに下げることに苦労しており、昨年は人口の30.2%と上昇している。

 

「マクロ経済レベルで政府がおこなった政策、あるいは決定の影響は、何よりも負債を返済するため、あるいは財政赤字を減少するために、社会支出を減少したことであり、このことは女性たちの置かれた状態、農村家庭に厳しい状態が生じた」。経済学者のフリア・エベリン・マルティネスは説明する。

 

国家財政

 

2021年、ブケレはビットコインを米国ドルと並行して、法定通貨として流通させると発表して、内外の人々を驚かせた。

 

しかしこのプロジェクトはうまく行かず、エルサルバドルが国際通貨基金(IMF)から必要な資金を得る可能性に、悪影響を与えかねなくなっている。現在のエルサルバドルの経済成長は、中米のなかで最低を記録しており、財政赤字は2022年に、過去30年間で最悪となった。

 

「この数年間、負債は減少しているが、依然としてパンデミック以前のレベルを超えており、エルサルバドルの財政状況は引き続き脆弱である」。世界銀行は評価する。

 

「政府は流動性資金の圧力に直面しており、資金調達の選択肢はほとんどない」、この機関は続ける。

 

ブケレが大統領に就任して以来、エルサルバドルの公的債務は増加の一途を辿っている。2023年年末、この国の債務総額は、200億ドルに達した。このうち120億ドルは外国からの債務である。

 

しかしこの債務には、国が負っている、民間の年金資金からの債務、100億ドル近くは含まれていない。

 

債務支払義務増大の期限を緩和するために、この数年間、エルサルバドル政府は、国債の買い戻しをおこなっている。

(通算4049) (La Jornadaの"Asume Bukele segundo mandato consecutivo en El Salvador"による)