メキシコ与党の大統領候補、クラウディア・シェインバウムが、6月2日に予定されている選挙で58%の投票意向で、ライバル候補にたいして20%以上の差で優位に立っていることが明らかになった。3月19日、日刊紙『レフォルマ』が世論調査結果を発表した。

 

与党「国民再生運動」(Morena)のシェインバウムは、2位につけている野党連合「メキシコの心と力」のソチトゥル・ガルベス候補の34%にたいして、24ポイントのリードになっている。もう一方の野党、「市民運動」(MC)のホルヘ・アルバレス・マイネスは、8%の支持である。

 

今回の『レフォルマ』のアンケートは、3月1日に選挙戦が公式にスタートしてから、同紙がおこなった最初の世論調査結果になる。12月におこなわれた調査では、シェインバウムが54%、ガルベスが29%を獲得していたが、このときMCの候補者はヌエボ・レオン州のサムエル・ガルシア知事で、17%の支持を得ていた。

 

世論調査の詳細

 

誰を支持しているかは別にして、有権者のほとんど3分の2の、65%の人が、与党候補者が勝利すると考えている。またシェインバウムにたいしては64%の人が「非常に良い/良い」と考えており、「非常に悪い/悪い」はわずかに14%である。これにたいしガルベスにたいしては、38%の有権者が良い印象を持っており、悪い印象は26%である。マイネスの場合は、かれを知らないという有権者が54%もいて、良い印象は22%、悪い印象は13%であった。

 

議会選挙では与党陣営のモレナが46%、メキシコ・エコロジスト緑の党(PVEM)が6%、労働党(PT)が4%と、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドル大統領を支持する政党が、56%を得ている。野党では、国民行動党(PAN)と制度的革命党(PRI)がそれぞれ15%、民主的革命党(PRD)が4%で、この野党連合は34%の支持である。MCについては8%、無所属の候補者は、2%である。

 

メキシコでは6月2日に、史上最大規模の選挙がおこなわれ、その有権者数は9700万人、20,375の職務が選出される。これには共和国大統領、下院議員500人、上院議員128人、9人の州知事が含まれる。

 

移民問題

 

この世論調査結果が発表された日、シェインバウムは国境の街、タマリパス州レイノサを訪問、もしも選挙に勝利したならば、米国での大統領選挙で誰が勝利するにかかわらず、協力していくことを約束した。「トランプかバイデンか、誰が大統領に選ばれようとも、かれら(米国人)が誰を大統領に選ぼうとも、わたしたちはかれに歩み寄って、わたしたちが移民問題の全般的な解決と考えること、それは発展のための協力であることを、主張していきます」、記者会見のなかで述べた。

 

モレナの候補は、彼女がメキシコ大統領に選ばれたならば、国境地帯の移民にたいして、かれらが人道的な扱いを受けられるように、支援していくと話した。「わたしたちは移民への支援をおこないますが、根本的な解決は、移民を生み出さないことだと主張し続けます」と説明し、そのために北の隣国と発展のために協力していくことが、主要な移民政策であると強調した。

 

ここ数年間のあいだのこの地域におけるかつてない移民の増加は、この問題を選挙の大きなテーマにした。2023年のメキシコにおける非正規移民は77%増加し、78万2000人が摘発されている。米国当局、国境警備税関事務所(CBP)の発表によると、メキシコ国境での非正規移民の逮捕者は、今年1月には12月と比較して50%減少し、124,220人であった。

 

「協力はするが、従属はしない」

 

シェインバウムが選挙戦のなかで、移民問題について語ったのは、これが初めてではない。3月3日には、トランプとバイデンにたいして、移民問題を米国大統領選挙でのテーマにしないように要請した。「移民問題を米国の選挙での、主要なテーマとして利用しないでもらいたい。とりわけメキシコ人にたいする問題として」、彼女はシウダ・フアレスでの記者会見で指摘した。

 

これより2日前、調査で最大の支持を得ていた候補者、シェインバウムはメキシコの主要な広場ソカロで集会を開催し、数万人の支持者を前に演説した。メキシコは米国の最大の貿易相手国であって、彼女の政府は、米国から「尊重」されなければならない。「つねにわたしたちは、協力のための善き意志を持っているが、それは同時に主権が尊重されるよう、要求するものです。協力はシーで、従属はノーです。頭を下げることは決してありません」、シェインバウムは強調した。

 

メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドル大統領に、20年間従ってきた彼女は、メキシコの外交政策について、憲法の原則を引き続き堅持するものであると表明した。「自決、不干渉、友愛」である。この内容によって、メキシコはロシアのウクライナ侵略にたいしても、中立を宣言している。

(通算4042) (Pagina12の"Sheinbaum lidera las encuestas"による)

 

(foto:EFE)