極右政党「前進する自由」(LLA)のハビエル・ミレイ大統領が、最近起こったことから反省することを期待する者がいたとしても、3月1日夜の演説では、これまで何度もおこなわれたことと同じ内容を聞かされただけだった:すべてが明らかに嘘の数字で、これまでの82日間の政府の「成果」とされるものを傲慢に誇り、10箇条の政治協定の締結を呼び掛け、しかしこの新しい基準法を承認しなければならないと脅迫し、権利と主権を否定する「緊急必要令」(DNU)に投票するように要求した。

 

40分間にわたる演説のなかで、有名な法学者によると、「救世主」のように振る舞い、100年間の政治を終わらせるために、変化をおこなうためにやってきた。

 

演壇の上からの演説は、米国大統領が連邦政府の報告をおこなうスタイルにヒントを得たもので、ミレイは階段上から、現在の政府の状態を概観しようとした。そして年金と賃金について、かれのチェーンソーと融解について正当化しようとして、突然「年率17,000%インフレの政府を引き継いだ」と述べた。「この数字と評価は、いかなる点からも不合理である」と、『パヒナ12』の記者は書いている。

 

2023年1月から11月までの物価上昇は、もっとも高いところで142%で、Indec[国家統計国勢調査研究所]によるもので、新大統領自身が、この機関が透明性をもって活動していると強調し、その政権発足時に維持されたものである。

 

はっきりしていることは、12月10日政権就任時に発表された数字と演説が、繰り返されたということである。

 

「対話を口にしているが、実のところ、望んではいない。州知事たちに、かれの施策を受け入れさせようとしているだけだ。大統領は新しいことは何も言わなかった」、ペロニスタの議員団「祖国のための連合」(UP)の代表、ヘルマン・マルティネスは語った。各州で起きていることについて、触れることはなかったと強調した。

 

「かれは食べること、生活すること、移動することに問題を抱えているアルゼンチンの家族について、何も話さなかった。かれは大量に解雇されている人々について、借家法の廃止によって路上に放り出された数千人の問題について触れることはなかった。今起こっていることについて何も話さなかった。かれは何の回答もしなかったばかりか、労働組合員たちを、そしてもちろん「祖国のための連合」を攻撃した。

 

発表された一つは、国営通信社Telamの閉鎖である。かれはそれを「キルチネリスモの産物」と述べたが、その創立はそれより随分と前のことである。

 

かれは州知事や議会があろうがなかろうが、大統領令によって統治を続けていくことができると脅迫し、さらに弾圧政策を主張し、治安対処規則を要求した。これは国際的な人権団体から反対されているものである。

 

それはスキャンダラスなプレゼンテーションで、ボックス席からは挑発的な拍手喝采を受けたが、首都は5000人の治安部隊によって軍事化され、それには特殊部隊、オートバイ部隊、騎馬隊も含まれ、議会周辺は道路封鎖され、3月1日の夜、カセロラッソ[鍋叩き]が呼び掛けられているなかで、社会運動体、学生団体そのほかが近寄ることを阻止していた。

 

23の州とブエノスアイレス特別市にたいして、5月25日に、「祖国の生産の心臓部である、コルドバが管轄する場所で」、アルゼンチンの基盤を再構成するための、10のポイントの合意に調印するように要請した。

 

しかしこれらは事前に提出されている「アルゼンチンの自由のための基盤と出発点法」[オムニバス法]と、財政合意が承認されていなければならない。

 

ここで提示された10項目の合意とは:①私有財産の不可侵、②財政均衡は交渉事項ではない、③GDPの25%に相当する、財政支出の歴史的レベルでの削減、④税制改革をおこない、税負担を軽減し、アルゼンチン人の生活を簡素化し、貿易を推進する、⑤現在の強要モデルを最終的に終わらせるために、共同の連邦税[地方交付税のようなものか]について再検討する。

 

⑥アルゼンチンの天然資源開発にたいする州の義務、⑦正規労働を推進し、近代的労働に改革、⑧年金を持続可能なシステムに改革し、拠出者を尊重するものにし、民営の年金システムに加入を希望する者に登録を許可する、⑨現在の政治システムを構造改革し、選出者と非選出者の利益を調整する、⑩アルゼンチンが世界市場のなかで再び主要な役割を果たすために、貿易を開放する。

 

実際には憲法は、州に天然資源を開発する権限を与えており、新しいものは何もない。

 

「わが国にはすでに憲法のなかに協約があり、救世主による協約など必要ない」、専門家は言う。

 

ミレイは議会でオムニバス法を押しつけることに失敗し、もう一度、資本主義を擁護する論拠を展開し、長年の闘いによって獲得したすべての権利を「ポピュリズム」と呼び、現在の深刻化する社会の状態に触れようともしない。

 

ミレイの最初の1ヶ月で医薬品の売り上げは40%、食品は35%以上減少した。2ヶ月間で貧困率は、60%以上まで上昇した。

 

大規模な治安部隊の配置が5000人以上になるなかで、特に目についた脅そうとする光景は、黒色の米国でのそれと似通った装甲車だった。

 

ミレイは労働組合員、人権団体、社会にたいする攻撃をおこなったが、かれらは外でカセロラッソを、集会を首都の各地でおこなっていた。大統領の演説は、住民の大多数に、地獄の間際に立たされている人々に、ただ絶望だけを与えるものだった。

(通算4033) (La JornadaのStella Calloniの"En tono mesianico, Milei pide refundar el Estado argentino"による)

 

(foto:Pagina12)