ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領は、2月15日カイロで演説し、ガザ地区のハマスにたいするイスラエル軍の攻撃について、パレスチナ住民にたいする「集団的懲罰」であると非難した。

 

「殺戮を止めることが急務である」、ルラはエジプトのアブドル・ファタハ・アル・シシ大統領との会談後、アラブ連盟の会議に出席し、このように述べた。「集団的懲罰を許してはならない」、進歩主義の指導者は続けた。

 

イスラエルの公式発表によると、10月7日のイスラム武装組織による同国南部への攻撃によって、約1,160人が死亡、その大多数が市民で、約250人が人質となった。これにたいするイスラエルの報復の規模にたいして、最近数週間の国際社会の警告が急増している。

 

ガザを支配するハマスへの報復の爆撃と地上作戦は、パレスチナ領土の大半を瓦礫と化し、パレスチナ当局によると、少なくとも28,663人が死亡し、その大半は女性と子どもたちであった。

 

国際社会は現在、ガザ地区の最南端にある都市、ラファにたいするイスラエルの地上攻撃を恐れており、ここには150万人近い人々、そのほとんどが戦争のため避難して、劣悪な条件の下にある人たちが生活している。

 

パレスチナ国家なくして「平和はない」

 

国際的な仲介国は、イスラエルとハマス間の新たな停戦の圧力をかけている。11月には約100人の人質とイスラエル内のパレスチナ収監者の交換がおこなわれた。イスラエルは約130人の人質がパレスチナのイスラム主義者グループのもとに拘束されていると見ており、そのうち29人が拘束中に死亡したと考えている。

 

「もっとも緊急な課題は、決定的な停戦を実現し、(ガザにたいする)人道援助の搬入が持続的、障害なくおこなわれ、人質が無条件で即時に解放されることだ」、ルラは主張した。

 

「東エルサレムを首都にし、ガザ地区と西岸を含む、相互に合意され、国際的に承認された国境内の、パレスチナ国家ができるまでは平和はない」、ブラジルの指導者は強調した。

 

ラテンアメリカで主要な大国の左翼大統領は、11月にはハマスが、10月7日の侵入によって「テロ行為をおこなった」と認めていた。しかし「イスラエル国家もまた、テロ行為をいくつもおこなっている。戦争において子どもや女性を考慮に入れていない」と語った。

 

同時にルラはカイロでの発言で、国連においてパレスチナが、完全な権利を持つ加盟国になることを支持した。「パレスチナが国連の正式加盟国になることを妨げる、いかなる口実ももはや存在しない」と、アラブ連盟22カ国の代表を前にして、ルラは話した。

 

独立したパレスチナ国家の存在は、75年前に国連で決定されたものであり、現在は和平交渉を再開するときであり、それは普遍的なものとして決定され、ブラジルもこれを支持するものである。

 

「ラファにおける地上作戦は、すでに人口密集状態となっており、新たな惨劇が予想されるものであり、(国際司法)裁判所の、予防措置の精神にも反するものである。殺戮を終わらせることは急務である。この問題でのブラジルの立場は明確である」。

 

国連のための資金

 

ルラ大統領は、ブラジル政府がパレスチナ難民のための国連機関(UNRWA)にたいして、新たに資金拠出することを発表した。金額については特定しなかったが、「すべての国がこれを維持し、強化すること」を勧告した。「最近の機関の職員にたいする告発について、それは調査されなければならない。しかしその活動を止めてしまうことはできない」。

 

シシとルラの2人の大統領の会談について、「両国の地域における重要な地位を認識して、国際フォーラムの場において、共同して協力すること」が話し合われたと、エジプト大統領の報道官、アウメド・ファーミーが説明した。

 

ルラのカイロ訪問は、両国の外交関係締結100周年祝賀に合わせたものでもある。

 

ルラのアフリカ訪問は、2023年1月に政権復帰して以来、3回目となる。このあとかれはアジス・アベバを訪れ、2月17日と18日にその地で開催されるアフリカ連合の年次総会に、ゲストとして出席する。

 

また国連のアントニオ・グテレス事務総長、パレスチナ自治政府のマウムド・アッバス議長との会談の場も設定され、中東情勢について意見交換する予定であると、ブラジル政府は明らかにした。

 

さらにエジプトとエチオピアについては、BRICSに加入したばかりの新しいメンバーでもある。このグループは新興国による機関であるが、これまではブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国だけであった。

(通算4030) (Pagina12の"Lula denuncia en Egipto la guerra en Gaza"による)

 

(foto:AFP)