2月2日、極右ハビエル・ミレイ大統領のメガ法案に反対する平和的なデモ隊にたいして、治安部隊は残虐な弾圧をおこない、ゴム弾、コショウ弾、催涙弾、放水車を使用し、数字はいまだ明かではないが、60人以上が負傷、そのなかにはジャーナリスト、テレビクルー、写真家などが含まれている。

 

動員には年金生活者たちも参加し、かれらは殴打され、そのうち一人は転倒し、仲間たちに助け出された。また野党「祖国のための連合」(UP)の議員たちも警察の攻撃を受け、そのほかのペロニスタたちも作戦の司令官たちに、暴力を止めるように働きかけていた。

 

警官たちが無差別に発砲する場面もあった。治安部隊の数が不釣り合いであったのは明らかで、実際に少数のデモ隊が残っている場合でも、発砲が続けられた。

 

パトリシア・ブルリチ治安相が策定した「反封鎖規則」(PA)が適用されたが、これは国際組織から違法で、この国の規範、人権を侵害していると見做されている。

 

一昨夜、座って国歌を歌っていたとして急進党(UCR)の若者4人が暴力的に警官に連行され、多くの人々の怒りをかっていたが、昨日朝、釈放された。かれらは乱暴な扱いを受け、どこにいるかも告げられず護送車のなか、市内をまわされたが、数時間後、弁護士たちの努力により、釈放されたと告発している。

 

昨夜70歳以上のある年金生活者は記者にたいし、現在の置かれた生活条件の不安定さを説明した。「わたしたち年金者は生きていけない。わたしたちは全生涯を働いてきたのに、忘れられた階級になり、現在かれらがわたしたちに何を準備しているかもわからない。飢餓は人を殺す。飢餓は今日わたしたちが見たのと同じように暴力なのです」。

 

まさにこのとき議会では、下院議員たちは新たに「アルゼンチン人の自由のための基本と出発点の法」、いわゆるオムニバス法の審議をおこなっていた。これはまさに反対のものだった。ミレイは下院257議席中38しか議員を持っていないが、右派の指導者、保守主義者、マウリシオ・マクリ元大統領(2015-2019)の支持を得ている。

 

外で起きている弾圧を議会内で聞いた、ペロニスタ「祖国のための連合」(UP)の議員団長、ヘルマン・マルティネスは休会を要求した。これは認められなかった。そのためこのブロックの議員団と他の野党議員たちは議場を後にした。

 

UCRのカルラ・カリソ議員は、議会外において「リバタリアン」メンバーから攻撃を受けたが、激しい脅迫にたいして、仲間からしめされた連帯行動に感動したと表明した。ペロニスタのミリアム・ブレグマン下院議員は、記者団にたいし、約40人の議員たちが、作戦をおこなっている警官たちにたいして、「このような弾圧を続けることは許されない」と、激しく抗議したと語った。それに対する答えは、「わたしたちにガス弾を発射し、殴打し、押しつけ、わたしたちの上をバイクで轢いた」、と述べ、ブルリチは「内戦を始めている」と非難した。

 

これとは反対に、与党のアレハンドロ・フィノッチアロ下院議員は、野党は引き延ばし戦術をおこなっていると批判した。「外には労働者はいない。なぜなら労働者だったら、48時間も無為に(働きもせず)(議会の)広場に留まっていることはできないだろう」。

 

同時に政府は、2月1日の終わりまで、知事と議員たちに、オムニバス法の報告に署名させようと、脅迫的な交渉を続けていた。

 

ハビエル・ミレイ大統領の妹、カリナ・ミレイ大統領府長官は議会に到着し、マヌエル・アドロニ大統領報道官とともに席に座ったが、負傷したジャーナリストの状況を知るために、議場から外の出ることすらしなかった。

 

政府はこの制度的に重大な問題を含んだ法律を成立させるために、あらゆる脅迫、圧力などの行動をおこなってきたが、またこれまでミレイが受け入れてこなかった変更を受け入れもしたが、いまだ合意には至っていない。

 

これは早く達成できるものかと思われていたのだが、もう一方の緊急必要令(DNU)の方は、国民主権、権利の観点から壊滅的である。

 

現在までのところ、戦略的企業の民営化についても、立法権を行政府に譲り渡すーこれにより議会は消滅してしまうーも、承認のための票を獲得してはいない。

 

国家の役割を縮小しようとする大統領令のなかでも、目立っているのは、抗議行動を犯罪化すること、議会の承認無く、外国からの債務をさらに増やす合意をおこなうことである。

 

現在の状況が今日も継続されるかどうか、誰にも分からない。はっきりしていることはないが、法案の報告が署名されたとしても、条文が1箇条ごとに議論されることになる。アルゼンチンの政治の歴史において、もっとも長い議会での審議になるだろう。

 

大統領とそのチームの机の上には、これ以外の大統領令の案もある。それは外国軍隊の介入を認めるものであり、軍の国内の紛争への介入を禁じる法的枠を変更しようとするものである。

 

さらに昨日政府は、国際通貨基金(IMF)にたいして、2月以降電気料金を200%以上、ガス料金を150%引上げる約束をおこなった。これはそのほかの毎月の価格改定に合わさって、社会状況をさらに悪化されるものになるだろう。

 

またIMFが2018年にマウリシオ・マクリ元大統領との契約で貸し付けた負債の支払いーこれも違法なもので、この金は右派政権のもとで蒸発してしまったーに向けるための合意の条件は明らかにされていない。

 

またブエノスアイレス首都圏の都市交通、バスや鉄道運賃の「引き続く」値上げについて、強調されている。

(通算4016) (La JornadaのStella Calloniの"Reprimen sin freno a opositores al paquetazo de Milei"による)

 

(foto:Bernando Avila)