ベネズエラのニコラス・マドゥロ政権が、野党のマリア・コリナ・マチャドにたいする政治的権利の剥奪を維持した数日後、米国はこれを「軌道修正」しないかぎり、この国の石油・ガスにたいする金融制裁を再発動することを決定した。マドゥロ政権はこれを「脅迫」と見做している。米国財務省外国資産管理局(OFAC)は、ベネズエラの金の採掘をおこなう国営鉱山会社Minervenについてライセンスを取り消し、保留となっている契約の決済は2月13日までしかないことになった。
ワシントンは後退させる
国務省のマシュー・ミラー報道官は、2024年4月18日に期限切れとなる、石油・ガス部門にたいする支援措置である「ライセンスについて、米国は更新しない」と発表した。ミラーによると、ジョー・バイデン政権は、マドゥロとその代表の野党の「共同運動体」とのあいだの、とりわけ「今年の大統領選挙での、すべての候補者の承認」について、「進展がない」ことから決定がおこなわれた。
この発表は、財務省外国資産管理局が、ミネルベンとの中断されている「すべての契約の決済｣について、2月13日を期限とするとした数時間後におこなわれた。このように米国はベネズエラの石油、ガス、金にたいする制裁を再開した。
米国はベネズエラへの制裁解除について、それはベネズエラの政府と野党がバルバドスでおこなわれた合意に基づいて、10月におこなわれたものだが、その延長には条件があった。合意によると、マドゥロは囚人を、「不当に拘束された」米国人も含めて釈放しなければならなかった。そして自由な選挙を保障しなければならなかった。囚人の交換は実行された。
12月ベネズエラは20人のベネズエラ人と10人の米国人を、ベネズエラ政府に近い1人の企業家と交換で釈放し、１人のマレー人企業家を米国に追放した。しかし米国政府はこの結果を不充分と見做した。コリナ・マチャドとエンリケ・カプリネス元大統領候補への裁判所の判決に加え、最近のマチャドの党である「ベネズエラに風を吹かす」(VV)の3人のメンバーが逮捕されたことによって、米国政府は制裁の再発動を決定した。ここ数日間のあいだに市民・軍人36人が逮捕され、ベネズエラ当局は、かれらがマドゥロを暗殺しようとする5つの陰謀に関係していたと告発している。
野党の主要な連立組織の予備選で勝利したマチャドにたいして、ベネズエラ最高裁は政治権利剥奪15年の判決を下している。
米国政府にとってバルバドス合意は、「引き続き長期間にわたるベネズエラの政治的、経済的、人道的危機を解決するための、またベネズエラにおける複数候補者、参加できる選挙をおこなうための、もっとも可能性のあるメカニズムである」。しかしそのためには「マドゥロと政権代表者は、ロードマップを尊重し、野党の政治活動、2024年大統領選挙に自由な立候補の権利を保障しなければならない｣とした。選挙は今年後半におこなわれる予定である。
「過激派手下の要求」による攻撃
マドゥロ政権はこれに反応し、「米国政府の無礼で不当な脅迫、最後通牒を拒否する｣と表明した。デルシ・ロドリゲス副大統領は自身のソーシャルネットXで、「もしも米国内過激派手下の要求を受け、かれらがベネズエラにたいする経済攻撃を強化するという、誤った行動をおこなうならば、2月13日以降、ベネズエラ移民の本国送還便について、即座に取りやめることになるだろう｣、と警告した。
米国とベネズエラの政府は、昨年10月、「祖国への帰還」計画の一環として、米国内のベネズエラ人の本国への送還に合意し、それから15便が飛んでいる。「ベネズエラは歴史的栄光、尊厳を持って、国民が団結し、自国の努力によって、ベネズエラ経済の回復のための取り組みを続けるであろう｣、副大統領は強調した。
1月30日ベネズエラ議会は、今年の大統領選挙の日程を提案するための協議を招集した。チャビスタの指導者、議会のホルヘ・ロドリゲス議長は議会総会で、「かれらはわれわれに、4月18日までに」と指示した。「クソヤンキーめ、期間などいらない」、ロドリゲスは続けた。「いったい何の根拠があって、報道官がこんな最後通告をおこなうのだ。おまえの最後通告は自分のなかに置いておけ」。
デルシ・ロドリゲス副大統領は、協議プロセスは2月5日に開始される、提案は選挙招集の権限を持つ全国選挙評議会(CNE)におこなわれると説明した。議会において全員一致で合意された内容は、即時に「大きな全国対話テーブル」を構成し、それには政治、経済、社会、文化、学問、先住民の各センター代表が参加し、「日程の提案について、協力して作成する目的を持つ」と説明された。
（通算4014） （Pagina12の"EE.UU. reactivo las sanciones a Venezuela"による）
(ベネズエラ議会のロドリゲス議長。foto:EFE)