ボリビアのルイス・アルセ大統領は、今週末、閣僚、議員との会合を開き、政策の調整をおこなった。一方エボ・モラレス元大統領も、政権への批判をおこなうなか、同じことを自身の支持者とのあいだでおこなった。与党、社会主義運動(MAS)の内部対立は明白な形を取ることになった。

 

アルセはラパスで数時間に及ぶ会議を主宰し、これには閣僚、副大臣、MAS内のアルセ主義者の議員たち、たとえばヘルヘス・メルカド下院議長などが出席した。会議が終了するにあたり、マリア・ネラ・プラダ大統領府大臣は、すべての「内外の敵の不安定化」の試みを「断固として」拒否するという声明を読みあげた。そして「主要な敵」はMASの隊列ではなく「ファシストの右翼」であると宣言した。

 

先週MASの全国指導部は、アルセが与党を裏切ったと批判し、大統領を政治党派の指導者エボ・モラレスの「最悪の敵」と指摘し、かれがMASの枠外から再選を目指していると批判した。党は何人かの閣僚を批判して、かれらにたいして汚職、麻薬の行為を隠蔽していると主張した。

 

6月18日、エボ・モラレスはルイス・アルセ大統領にたいし、「注意をする」ように要請し、政府がかれにたいして「右翼と帝国と一緒になって」、攻撃を組織していると指摘した。モラレスは「カウサチュン・コカ」ラジオの日曜日に放送された番組で、「役得を得ていない、健全で誠実な指導者にお願いしたい」、なぜなら「何らかの作り事のために」、「かれらに従わせている」のだからと語った。

 

元大統領は、現在「われわれの政府」が、かれを麻薬組織に結びつけるために、攻撃を準備していることを「心配している」と表明した。

 

こうした流れで、大統領府大臣と通信省副大臣が、偽のビデオを準備していると指摘した。「悪くは考えたくないのだが、このような中傷でもって、かれらはわたしにたいする安上がりのキャンペーンをおこなっている」、モラレスは皮肉っぽく語った。

 

6月17日、モラレスは熱帯地域、コチャバンバのコカ葉栽培者連盟、エボ主義者との会議をおこなった。これはかれの主要な政治的根拠地である。しかしそこでの立場は、大統領と政府にたいして批判をおこなうものであった。この会議においてはMASは大統領の「唯一の候補者」を持っており、それはモラレスであるという立場であった。

 

MAS内における緊張は、2021年の年末に感じられることになった。エボ主義者たちはアルセにたいして、かれの協力者たちを変更するように勧告した。大統領はこれに従わなかった。このあとエボ主義者たちは、政府の汚職疑惑を繰り返し批判するようになり、アルセとチョケウアンカ[副大統領]にたいして、裏切り者と呼ぶようになった。

(通算3970) (Pagina12の"Luis Arce y Evo Morales se reunieron por separado con sus seguidores"による)

 

(右からアルセ、チョケウアンカ。foto:Pagina12)