数週間の激しい議論ののち、コロンビア政府は、初期医療と疾病予防を強化することによって、全国隅々まで医療を行き渡らせることを目的にした、医療改革案を提出した。「コロンビアの公共医療では、これからはもうお客様はいない、人々は人々である」、カサ・デ・ナリニョのバルコニーから、コロンビアの歴史で初めての左翼の大統領は説明した。

 

ペトロは言った、「何百万人もの人々が投票した変化は、嘘の変化やメーキャップした変化ではありえない。人民がその政府を見放す唯一の場合は、変化を止めてしまったときである」。側には妻のベロニカと、末の娘アントネジャがいた。ほとんど1時間半に及んだ演説のなかで、かれは政府の主要なプロジェクトについて話し、大統領は改革について、「医療システムのゴミの契約を終わらせるのだ」と主張し、提起した:「もしお金があったなら健康でいられるというわけではいけない。したがって貧困者の医療のために、補助金を与える体制を持つ」と述べた。

 

同じ文脈でカロリナ・コルチョ保健相は、2月13日、改革は「医療にたいする基本的な権利を要求するものである」と述べている。法案は上下両院で、あわせて4回の審議をおこなわなければならず、修正を余儀なくされる場合もあるが、政府は昨年の税制改革が通ったように、わずかな多数派によって成立することを信じている。

 

街頭における大規模な支持

 

数万人の人々が、コロンビアの主要都市の街頭に出て、ペトロが推進している、国家の介入策を強化する医療システム改革法案を、支持することを表現した。とりわけ労働組合、教員、医療労働者が、今週議会に提出される野心的な一連の改革にたいする、政府の呼び掛けに呼応した。

 

「選挙で勝利したのは人民だ。そして人民は、コロンビアの変化を望んでいる。民主的で平和な国を目指して、変革を進めていこう」、ペトロ大統領は、カサ・デ・ナリニョのアルマス広場から熱弁を揮った。そして「経済的勢力は、コロンビア社会の叫びを読み取り、理解する必要がある」と続けた。医療改革を支持する大衆行動が、主要都市ボゴタ、メデジン、カリ、バランキジャなどで、国旗と横断幕を持っておこなわれた。翌日には野党の抗議行動も予定されている。それはペトロが任期の4年間におこなおうとしている、まさに政策に、反対をしめそうというものである。

 

「コロンビアの医療改革は緊急、必要なものである。これまで患者や診療に対処しようとする政策はおこなわれてこなかった。これは不当なものだった」、人権派女性弁護士、アフロ系の38歳、イサベル・コルドバはボゴタの集会で語った。一方、大学病院の看護師、グロリア・ペニュエラは、医療労働者と患者にとって機会が欠けていると指摘した。「とりわけ医療サービスにアクセスするのが、非常に困難な地域の人々にとっては」。

 

初期医療と普遍性

 

コロンビア政府は、初期医療を強化するための医療制度改革をおこなおうとしている。また「見捨てられた地方」に対応することも。これらの遠隔の共同体では、現在、もっとも近い診療センターに行くために、舟やロバを使って数時間を要している。「われわれが求めているのは、非常に遠隔地であっても、医師が農民家庭を訪問診療できることです」、ペトロはボゴタから説明した:「われわれが望むのは、妊娠女性がいたとして、尊厳を持って医療対応を受けることができること、誰もいないことによって、死亡することがないようにすることです」。

 

ハーバード大学の研究者で医療制度の専門家、ジョナサン・ガルシア・ルイスは、この改革はペトロが大統領に選出されるずっと前から、その政治プロジェクトに完全に含まれていたと説明する。かれのボゴタ市長時代の、「健康な地域」プロジェクトは、市のもっとも貧困地区での、医師の訪問診療を目指すものであった。「今日、われわれはその政策が拡大されているのを見ます。ペトロの改革は医療制度における「医療推進団体」(EPS)の役割を排除し、初期診療チームを強力に主役の役割にし、コロンビアすべての隅々まで行き渡らせることを約束しています」、ガルシア・ルイスは、『パヒナ12』紙のインタビューに答えた。

 

予防に重点

 

この改革は予防の側面をも持っている。法案では、「国家は国土住民の、個人の全般的な生活条件を改善するために、健康のための重要な要素を、連携して強調をおこなう」としている。その意味するところは、コロンビア国家は、食料へのアクセス、飲料水、尊厳ある住宅、尊厳ある労働条件といった側面を改善し、これにより病院に行くことを避ける、病気の予防になると考えている。

 

このほかで強調されている要素として、「医療資源の管理の透明性を保証するために、オンライン情報公開システム」の創設、そして医療労働者にたいする特別の制度が述べられている。「コロンビアにおいて生命を守る仕事に従事する人々に、気を配らなければならない。このような人々の賃金は、公正で尊厳のあるものでなければならない」、コルチョ保健相は強調した。

 

EPSの変革

 

法案によると、医療への予算支出は、引き続き分担金支払者から出されるが、しかし国家からも支出される。これによりEPSの現在の権力を奪おうとする。しかし当初言われていたように、消え去ってしまうわけではない。これらは民間会社で、分担金支払者とサービス提供者のあいだを仲介する役割を持つ。

 

「保健・社会保障省は、EPSの地域化プロセスを徐々に進める」、法案はこのように述べ、その影響力は「多くの加入者を擁する県、都市」に集中させ、「地理的に分散する」ことから免れるとしている。法案はこのように設定し、この「調和」では、それぞれの家庭の構成員は、同じEPSの会員でなければならず、医療推進団体が一つしかない地域では、住民にたいする保証を拒否することができない。

 

ガルシア・ルイスによると、EPSは財政リスクを管理すると説明する。「国家は医療サービスの運営をEPSに委託し、毎年一定額を支払い、EPSは人々への診療に責任を持つ。その見返りとしてEPSはこの収入の一部を受け取り、その活動費用に充て、また利益を受け取る権利を持つ。これはある人々からは非常に批判を受けるものである。それはこのような仲介は必要ないと。なぜならEPSのような形態を取らなくても、国家が直接医療機関に支払えば済むことだと」。ガルシア・ルイスは『パヒナ12』に説明した。

 

この改革には世界保健機関(OMS)と米州保健機関(OPS)の技術支援もあった。これは「初期医療と社会的要因の取り組みを通じて、コロンビアのすべての市民、住民の健康の権利を保障しようとするもの」との評価を得た。

 

主要な批判の声

 

ペテロの政策の主要な法律は承認されているにもかかわらず、(たとえば税制改革、「全面的和平」法、まだ立法まで進んでいないが政治改革など)、今回の政府は、与党内からも抵抗が起きている。たとえば上院のロイ・バレラス議長、かれはすでに法案に何らかの修正がおこなわれるのに賛成を示唆している。また教育相で、元保健相であったアレハンドロ・ガビリアは、かれの意見は法案に「充分には」取り入れられていないが、閣外に去ることはないと発表した。

 

法案には右派野党や、現在医療サービスを担っている企業組合も反対している。一方、元保健相のフェルナンド・ルイスは、カラコル・ラジオのインタビューで批判した。「悲惨で最悪だった公共医療制度を復活させようとしている:公共医療の資源を、市長や知事に引き渡すものだ」。

 

このほかの今後の改革

 

2月14日の演説のなかで、ペトロは、労働改革について、数日中のあいだに政府は提案する予定であると発表した。生産性は労働時間を延長することで得られるものではない。そうではなく生産に知識を結びつけることによる」、このように大統領は述べ、そして続けた:「より生産性のある企業をつくるために、労働者を奴隷に変えることを基礎にするなど、一体誰が言ったのだろうか?」。

 

最後にペトロは年金改革を提案し、公的資金をより多く投入し、高齢者の最低所得を確保することを目指すと述べた。「動いていく社会のみが、世界的な生活大国を建設することを可能にする」。大統領宮殿からの、かれの演説が終わると、かれとともにあった数千人の大群衆の、喝采を聞くことができた。

(通算3921) (Pagina12の"Gustavo Petro presentó una reforma para garantizar la atención médica a todos los colombianos"による)

 

(「わたしはグスタボ・ペトロの政府の改革を支持する」foto:Pagina12)