コロンビア議会は7月20日、グスタボ・ペトロ次期大統領が、上下両院で多数派となる連立与党を形成するとともに発足した。主要な目的は、農業と税制の改革になる。

 

ペトロは8月7日に大統領に就任するが、6月19日に選挙に勝利してのち、議会で法案を通すために必要な合意を獲得するために働いてきた。7月20日の最後の瞬間まで、かれのチームは、政党指導者との会談を続け、左派から右派までの政党を含めた、多数派の形成に努めた。

 

両院での与党政党の構成と野党

 

上院ではペトロは108議席のうち、63議席を占めることになる。政府与党を構成する合意は、歴史的合意(PH)が20;緑の同盟(AV)が8;自由党(PL)が14;独立社会同盟(ASI)が4;先住民が2;コムネス(コロンビア革命的武装勢力FARCの旧戦闘員によって作られた政党)が5であった。

 

最後の段階になって与党に、人々のための団結党、コロンビアではU党として知られる、が加わった。「U党議員団は政府与党を形成し、グスタボ・ペトロ次期大統領の提出するプロジェクトに賛成することを決定した。貧困と格差の是正;食糧安保の強化;和平協定の実行を目指していく」、2005年コロンビアのアルバロ・ウリベ元大統領を支持するために結成された右派政党は、声明のなかで表明した。この党には上院議員が10人、下院議員が15人いる。

 

下院においてもペトロは多数派になる:188議席中110議席である。この多数派は次の政党・グループによって構成される:歴史的協定が28、自由党が33、U党が15、武力紛争犠牲者の代表が13、緑の同盟が12、コムネスが5、市民の力(FC)が1、運動のなかの人々(GM)が1、先住民が1、アフロの割り当てが1。

 

主要な野党はウリベ元大統領の民主的中心(CD)になるだろう。マリア・フェルナンダ・カバル議員は、ニュースサイト『ラ・シジャ・バシア』にたいして、同党がペトロの提案にたいする「防壁」になるだろうと語った。この党は上院に13、下院に15の議席を持っている。

 

野党には第2回投票でペトロに敗北した、ロドルフォ・エルナンデス前大統領候補が加わる。エルナンデスは上院議員に就任するが、かれの義務は規則が命じているように、「野党の役割を果たすこと」であると述べた:「監察官をおこなう。誤りを明らかにし、すべてのコロンビア人の利益のために、解決策を提案する」。

 

より包摂した性格の議会

 

新議会は今年3月13日に選出され、2026年まで活動をおこなう。アナリストによれば、これまでと比べ、より多彩であり、バランスの取れた議会になったと指摘する。それは一つには、女性議員の増加に現れている:57人から86人に増えた。

 

さらに今回の議会ではもう一つの目立ったことがある。それはコロンビア武力紛争犠牲者の代表16人が、初めて議員に就任することである。これは2016年ハバナにおける政府とFARCのあいだの和平合意によって定められた。

 

最初の措置としての税制改革

 

議会において最初に取り組まれるプロジェクトの一つは、ペトロが推進する税制改革になるだろう。さらにその他のプロジェクト、農地改革や政治改革なども、推進される必要がある。

 

税制システムについては、歴史的協定の新しい上院議長、ロイ・バレラスが、この改正は新政府にとって「完全な優先事項」であると言明した。さらにこの改革ののち、社会プログラムや、その他の改革のための財源を期待できると述べた。

 

退任するイバン・ドゥケ大統領は、この法案に反対の意思を表明した。7月19日、ドゥケは語った:「より多く支出したいと思わないかぎり、現在コロンビアは新たな税制改革に取り組む必要はなく、結局のところ現在のわが国の投資熱を冷ますことになりかねない」。2021年4月、ドゥケは税制改革を推進したのだが、コロンビアで動員と抗議行動が巻き起こり、のちに撤回せざるを得なくなった。

 

これに関して全国税金・関税局(DIAN)局長に任命されたルイス・カルロス・レジェスは、7月19日記者会見で、「1000万ペソ(2,500ドル)以下の収入の人たちに、税金を課そうとは考えていない」、と述べた。さらにこの改革は累進化しようとするものだと説明した。つまり民衆層には補助金が分配され、この国でもっとも裕福な人々が、より多く税金を払わなければならない。

 

農業と政治の改革

 

将来の農業大臣となるセシリア・ロペスは、政府が「躊躇なく農地改革」を推進すると断言した。日刊紙『エル・ティエンポ』に明らかにされた発言で、ロペスは、改革の重要な2つのポイントを指摘した:「第1に荒れ地の分配はおこなわない。第2に生産性のある土地の分配をおこなう。それら生産性のある主要な土地は牧草地である。ここに対象とする地図がある。そしてその方法とは:土地にたいして払わなければならない税金を支払うか、国家に売却するかだ」。

 

政治改革に関しては、次期政権は名簿提出の改正をおこない、選挙キャンペーンの費用を完全に国が支出すること、また選挙機関を新たに作ることが目指されている。

 

その他の課題としてあげられているプロジェクトには、平等省の創設があり、これはフランシア・マルケス次期副大統領が、兼務することが予定されている。さらに平和・共存・安全省も創設され、現在国防省の指揮下にある警察は、この下に置かれることになる。

 

またペトロ政権は、いくつかの法令の制定を目指しており、それはFARCとの和平協定の遂行に関するもの、また民族解放軍(ELN)との対話の設定などに関わるものである。

(通算3744) (Pagina12のSofía Troianoの"Un nuevo Congreso con mayoría de Petro y sus aliados"による)

 

(foto:EFE)