ホンジュラスの歴史で初めての女性大統領が誕生した。国立テグシガルパ競技場には、30,000人近い民衆と、記録的な量の国際的な代表団を迎え、就任式がおこなわれた。2009年彼女の夫、マヌエル・セラヤ・ロサレスがクーデターで打倒されて、12年間の抵抗ののちであった。

 

シオマラ・カストロ・デ・セラヤは、1月27日、ホンジュラス政府を率いる、最初の女性大統領となった。ルイス・レドンド新しい議会議長が、彼女にターコイブルー[青色]の大統領旗をかけた。議員間の騒動から2つの議会の存在という、紛争が残っているなかで、カストロは法律に基づき、判事の前、憲法にたいし宣誓をおこなった。

 

彼女の演説は40分間続いた:「ホンジュラスの愛する人民。この日は一つの世代が自由を決定し、のちの世代に発展を可能にするように残した日として、歴史に記録されるでしょう」。そしてこれまでの国家の災難を告発した。しかしいくつものプロジェクトは人々から歓迎を受け、国立テグシガルパ競技場には、明け方からイベントに参加しようとする人々で列ができた。この日を飾るために、その壁には、この国の歴史が表現された。

 

国際的な代表たち

 

行事には国際的な40の代表団の参加が見られた。アルゼンチンのクリスティナ・フェルナンデス・デ・キルトネル副大統領[『パヒナ12』はアルゼンチン紙]、米国のカマラ・ハリス副大統領、ブラジルのジウマ・フセフ元大統領、パラグアイのフェルナンド・ルゴ元大統領、スペインのフェリペ6世国王、コスタリカのカルロス・アルバラド大統領、米州機構(OEA)のネストル・メンデス事務局次長などである。このほかの国家指導者たちの到着を待つ熱気を冷ますかのように、ドミニカ共和国議員でバチャダ[ドミニカ音楽]の歌手、エクトル・アコスターいわゆる「エル・トリト」ーが、その古典的な歌で人々の注目を独占した。

 

ホンジュラスが国際舞台に復帰したというのは、このカストロの宣誓式と、彼女の先任者フアン・オルランド・エルナンデスが2017年に、第2期の違法な大統領職を開始したときを比較すれば明らかとなる。カストロは最初にバシリカ・デ・スヤパに赴き、そこからサッカー場まで首都中心部を、マヌエル・セラヤ・ロサレス元大統領とともにコンバーチブル[オープンカー]に乗り、大通りに溢れる群衆に挨拶したのだった。前大統領の場合は、いかなるかれを祝福する国際使節団もいないところで宣誓をおこない、一方で街頭ではかれが選挙を盗んだことに抗議する人々を弾圧するために催涙弾が使用され、デモ隊からは死者が出ていた。

 

発表

 

新しい大統領は彼女の施政として、4つの柱への努力に集中すると強調した:医療、教育、治安、労働である。ー前日にクリスティナ・フェルナンデスが大学でおこなった演説と共通するがークーデター以後に確立された新自由主義モデルに反対すると:「わたしたちを苦しめてきた経済的大惨事は、ホンジュラスの歴史のなかで比べるものがありません。人々の生活への打撃は、たとえば負債が700%増加したことにしめされています。貧困層は74%増加しました。このためホンジュラスはラテンアメリカでもっとも貧しい国になってしまったのです」。「ホンジュラスの再建は、人間性への尊重を再確立することから始められます」。

 

続いて100万の家族が電気サービスを無料で受けられることを約束した。しかしこの費用は、もっとも消費するものに反映される。つまり国家は、破産状態で引き渡され、もっとも必要な人々にたいし、この削減をおこなう能力を持っていない。さらに学校で生徒たちへの無料の昼食を保障した。子どもたちが教室に戻ることができ、かれらが家族を助けるために、働き続けなくてもよいように。

 

もう一つの方策は燃料にたいする補助金の発表である。これは国中で、歓迎の波を引き起こした。ここでは人々は5街区のためにもクルマを使う。それはすぐれた公共交通がないこと、治安上の恐れから、そして習慣によってなのだが。そして銀行利息の軽減がもう一つの公約で、それは痛めつけられた人々の財布を活気づけるためである。

 

移民問題は、その演説のなかで触れなければならないテーマの一つであった。彼女は可能な限り国に戻ることができるように、大量出国を避けるためのことをおこなうと約束した。これは随分前からホンジュラスを悩ませてきた問題だが、しかし2018年から有名なキャラバンによって増加し見えるようになって、かれらは数千キロを歩いて、米国に到達しようとし、より尊厳ある生活の機会を得ようとしている。

 

重い遺産

 

またこの演説のなかで、カストロは国家による人権侵害を告発し、政治犯とグアピノル川の環境保護主義者の釈放、ベルタ・カセレス殺害への裁判を要請した。カセレスは環境保護運動の指導者で、レンカ民族とともに聖なるグアルカルケ川のダム建設に反対していたところ、2016年に殺害された。彼女の娘で、ホンジュラス先住民と人民市民組織評議会(COPINH)の現在の指導者、ベルタ・スニガ・カセレスはカストロに、先祖伝来の指揮の杖を渡した。彼女はこの杖を受け代表となる約束をした、この国の歴史で初めての国家元首となった。

 

そのほかでもっとも人々から歓迎されたときは、大統領が議会にたいし、セデ法の撤廃を提出したことであった。この法律はすべての人々から反対されていたもので、国家が権限を持たない最上の土地を、開発のために、数々の経済活動に提供するもので、それは何人もの法律専門家から、憲法違反であると告発されてきた。

 

期待されたものの復帰

 

またこの行事のなかで、大統領は新しい内閣の宣誓をもおこなった。そのなかで目立ったものはラモン・サビジョン将軍の帰国と、治安大臣への任命である。かれは国家警察の長官として、人々からの名声を勝ち取り、最上層部からの命令に従わず、2016年に何人かのナルコトラフィコ[麻薬密売組織]の逮捕を決定した。これによりかれはその職を失い、亡命を強いられた。選挙全国評議会(CNE)のリブレ党代表であるリクシ・モンカダは、不正選挙の可能性を避けた、最高責任者の一人であるが、財務局長として報いられた。

 

行事が終了したところで、人々はスタジアムから平和裏に解散したのだが、その多くがテグシガルパのその他の場所に準備されたところで、祝賀を続けたのだった。そこではフィエスタがフィエスタに続き、芸術的なカーニバルで、1月27日の夜まで続けられた。

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(左カストロと右セラヤ。foto:EFE)