医療チームが、カラカスのラ・パストラ、リディセ地区の丘、道路を登っていく。かれらの多くはキューバ人だ。そこより下にある総合診療所(CDI)で働いている。かれらにアルトス・デ・リディセ社会主義者コミューン(CSAL)のメンバーが同行する。COVID-19感染の可能性をさぐり、家々をめぐる。住人たちと会話し、格子、窓、ドア、壁を消毒する。

 

コミューンの主要な活動はパンデミックとの闘いである:検査、巡回、看護の方法、家族との寄り添い、異なったレベルでの市庁と協力しての、公共システムとの連結。これはその他の戦線とも交差する、毎日の展開だ。すべてのドアの向こうには、必要がある。とりわけ丘をより登ったところには。そこにはクルマが入ることはなく、階段は狭くなり、徐々に地区は山のようになってくる。

 

「われわれはこの状況に立ち向かうため、コミューンの医療システムを構築した。住民を看護し、陽性患者の家族と寄り添い、さらに感染を防止するのだ」。コミューンの主要なスポークスマンの一人、ヘスス・ガルシアは語った。

 

コミューンの地には、5000人の住民が生活している。COVID-19感染拡大が全国レベルになったとき、ここにはすでに9人の陽性患者がいる。7月23日、24日、25日、感染はピークを迎えた:それぞれの日にち、449、650、666の感染者であった。全体では感染者14,929人、死者138人となっている。状況は憂慮すべきものだ:知られているように、感染だ急速に増加していく。

 

感染の拡大は、その状況に対処するために、物流の拡大がもとめられる。コミューンでは、その他の場所と同様に、陽性患者が出た場合、無症状の場合、隔離のために移動させられる。症状がある場合、難しい状態の場合、入院となる。ほとんどの入院患者は、公共医療システムもとに置かれる。それは警戒のための病院、つまりCOVID-19のために特別に準備されたものがそうであるし、また小さな規模の、総合診察センターにおいてもそうである。

 

費用については国家が支出する:検査、移動、簡易検査で陽性であったものすべてのための隔離施設、入院費、食費のすべてである。感染の増加は、医療システムに圧力をかけることになった。これはこの数年のあいだに後退してきており、この緊急事態に、中国、ロシア、キューバからの供給物で、強化されている。また感染者を収容する能力についても、国家を圧迫している。感染者の増加とその結果としての隔離に対処するため、どのようにその場所を作るかが迫られている。

 

ベネズエラの状況には、さらにより複雑な問題を抱えている:国境と多くのベネズエラ人の陸地からの帰還である。10万人近くが、パンデミックが始まってから国に帰還した。多くがコロンビア、エクアドル、ペルーからである。かれらの多くは、所持品が少なく、またトラウマ的な状況を経験してきている。かれらは最近数年間のあいだに作られた、大量の移民の一部で、それぞれ到達した国での、コロナウィルスの災難とそれに伴う経済不況から、国への帰還を決断した、あるいはそれ以外の選択がなかったものである。

 

これらの移民にたいしては、国境での、国家の側の対処の用意の必要性を要求するものであった。検査の実施、隔離施設の保障、食料、その後のそれぞれの出身州への帰還手段である。この政策は2つの困難な状況に直面することになった:毎日の受け入れる能力を超える、多くの入国希望者の需要。もう一つは、いわゆるトロチャス[抜け道]による違法な入国である。

 

この帰還者は、感染の上昇カーブの要因の一つではある。しかしより多くの感染者は、現在のところコミュニティにおける移動によっている。この増加は、ベネズエラにおいて4ヶ月以上の自宅隔離が過ぎ、いくつかの地方において緩和の手段が取られるとともに始まった。しかし首都においては、試みののち、感染増加の様相によって、ふたたび徹底的な自宅隔離に復帰した。

 

この状況は、引き続く経済困難な状況のなかで生まれた。ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(CEPAL)によると、ベネズエラの2020年のGDPは、26%の下落が予想されている。これは7年連続の経済危機になる。

 

こうしたなか米国政府の政策は、経済封鎖をより強化することに賭けられている。この数か月、数週間、制裁はベネズエラ石油のすべての貿易を阻止することに集中している。石油会社、船舶会社、船、船長、保険に打撃を与え、何者もベネズエラの港、燃料に手を触れないようにする。この国と収入を麻痺させることに全力がかけられている。

 

しかし『ワシントン・ポスト』社説の覚え書きに書かれているように:「トランプ政権は、いまだベネズエラ石油の輸出、ガソリンの輸入を窒息死させようと試みている。しかしすでにこの体制を転覆しようとする、一貫した戦略を持っていないようだ」。この明らかな戦略の欠如は、米国の選挙が数か月後に迫っており、世論調査では、ますますジョー・バイデンがドナルド・トランプを、上回っていることにもよっている。

 

それでエリオット・アブラムズが発表したように、封鎖はその強さが維持され、新たにいろいろな形態での、作戦が引き起こされるようだ。たとえば7月16日に起こったような、南方軍の艦船がひそかにベネズエラ領海に侵入した事件ののようなものが。これは外務省によって告発された。

 

身近な地平線には、12月6日の国会議員選挙がある。これは国内的にも、国際的にも、政治紛争の中心点になるだろう。一方ではアルトス・デ・リディセ・コミューンは、引き続きコロナウィルスに立ち向かう仕事を、このほかの問題とともに続けていく。ここだけではない:チャビスモの数年間のあいだに建設された全国的な組織網は、パンデミックと闘うための展開している。

(通算3006) (Pagina12のMarco Teruggiによる)