予想されていなかった決定が、想定外と表現されるような‐いまだブラジルにおいて想定外という言葉が存在してたらの話だが‐最高裁によって6対3でおこなわれた。レナン・カリェイロスは最高裁自体の被告であるが、来年2月までの任期のあいだ、上院および全体議会の長である続けることができる。それは「ブラジル的な」解決で:カリェイロスは上院議長を続けることができるが、憲法に定めているように、大統領を代行するリストに入ることは出来ない。

 

この結論は広範で熱のこもった3権の長の交渉の結果生まれた:立法と司法と行政による。カリェイロス自身がこれを最高裁に提案し、当然ながらミシェル・テメル大統領がこれを支持し、最高裁長官のカルメン・ルシアがこれを受け入れた。この解決法はいまだ前例がなく、いかなる法理に照らしても通らないものである。

 

これは明らかに政治的な決定であって、この国の司法の最高機関のモラルを、多くの面で裏切るものだと法学者たちは言う。一方では政治家一般、とりわけジウマ・フセフ大統領を罷免する制度的クーデターで生まれた政府は、この解決法を歓迎した。非常に意見が対立し、不人気である法案を上院で採択しなければならない政治日程のなかで、カリェイロスが解任され、労働党(PT)のジョルジュ・ヴィアナ上院議員が議長に就くことはリスクが大きいことが想定された。

 

テメルは議会で多数派を占めていることから、公共支出の上限法案は大きな問題もなく承認されるものと思われる。一方でヴィアナが投票の延期を決定するリスクは、上院で重大な問題を作り出すだけではなく、主要に経営者と金融市場、つまり資本にとっての重大な問題となりうる。これに関して警告する噂が政府とその仲間筋から(何も証拠のある可能性ではないが)、広範に流された。外国人のみではなくブラジル人の投資家も、より安全な場所に、つまり外国に逃げだすと脅迫された。

 

この例外的な決定に投票した判事のものたちは、最低限の粉飾をすらしようとはしなかった:すべての言葉を受け入れ、この国を覆う重大な経済危機に立ち向かうことこそが核心的に重要なのであり、「議会の通常の雰囲気を保障しなければならない」。このようにして憲法に従い最高裁自身が暫定的に採用した決定を続けるのではなく、弱体化した政府の政治方針に忠実に従うことを選択し、強く支配的な不安定さを緩和することもなかった。

 

この最初のとき、ミシェル・テメルは一息をつくことができた。しかしかれの慰めは、その都度束の間のもとになっていく。カリェイロスは厄介な同盟者であり、いくらか信頼できず、しかしかれの行動は重要である。

 

これにより地位を守った上院および全体議会議長は、その大きな力、権力を見せつけることになった。裁判所の正式な召喚状の受け取りを拒否し、文明国では許されないであろう挑戦で、最高裁に再度立ち向かうことを決め、これに勝利したのだ。

 

かれの主張の基本は、憲法の番人とされるものから完璧に擁護されたのだが、はっきりとしている:上院議長を職務から遠ざけるならば、経済の大混乱を生じるであろう。すでにぼろ衣のようになり、公共支出の上限法の成立を約束している、ミシェル・テメルの貧血状態の政府の統治能力を、一気に終了させてしまうだろうと。

 

12月6日の夜から12月7日の朝にかけて、すでにもっとも近しいもののあいだで祝われていた。結果はおおよそ午後6時にならなければ明らかにされなかったのだが。この会議においてカリェイロスは投票の見込みを誤った。かれの留任を、最高裁判事5人が賛成するであろうと述べたが、最終的にはそれは6人であった。

 

12月7日、レナン・カリェイロスは、かれの力の大きさを見せつけた。そして最高裁は、ブラジル人5450万の票を獲得したいかなる犯罪もない大統領が罷免されるのを、力なく消極的に眺めていた。野党の言うところの、明白に機能していないことが再び明らかとなった。

 

13日後には議会は休会に入る。これは政府にとってもっとも厳しいとされる、かつてブラジルでおこなわれることのなかった、経済プログラムを採択するための必要な時間である。また年金システムの改革が提案されており、これはすでに痛めつけられている人々に、取り返しのつかない打撃になるであろう。

 

これにより少なくともかれが発表したうちの2つが達成される。経済学者が言うには、すべての指標は深い危機が持続することを示している。そしてミシェル・テメルにたいする批判が静まることはないであろう。しかしかれが大統領職に就任してから発表した2つについては具体化されたのだ。2つ以上ではない、それは事実だ。しかしそれはゼロではないということだ。

(N01501) [La Jornada のEric Nepomuceno による]