コロンビアは11月24日、コロンビア革命軍(FARC)とのあいだで再交渉した、半世紀にわたる衝突を終わらせるための和平協定に調印した。これは依然反対はあるものの、恐らく来週に議会において承認されると思われる。

 

アルバロ・ウリベ前大統領は、この協定を中傷するリーダーで人権擁護団体からパラミリタレス[極右準軍事組織]に関係していると告発されているが、新協定を承認しこれを実施するための、新たな国民投票を提案した。

 

先の和平協定案がコロンビア人の国民投票で否決されて2か月近くののち、フアン・マヌエル・サントス大統領とFARCの指導者ロドリゴ・ロンドニョ‐ティモチェンコとしても知られる‐は、簡素な式典で、balígrafo (銃弾 bala で作ったボールペン bolígrafo)で新協定に調印した。

 

ボゴタのコロン劇場で800人を招待しておこなわれた式典は、9月26日にカリブのカルタヘナでおこなわれた先の式典とは対照的であった。そのときには2,500人が招待され、そのなかには15か国の国家元首が含まれていた。

 

11月12日に合意された文書には、10月2日の国民投票で否決されたのちの野党の提案を含んでおり、ラテンアメリカでもっとも古くからの武力紛争を終わらせようとするものである。この紛争にはパラミリタレス、国家機関も加わり、26万人以上の死者、6万人の行方不明者、690万人の避難民を生んだ。

 

「この協定はカルタヘナで調印したものよりも良いものである。なぜなら大多数のコロンビア人の期待、批評を取り入れたものだからである」、サントスは来週に議会が文書を承認することへの自信を明らかにした。

 

ティモチェンコはイデオロギー的立場を取ることを否定した。「ただ戦争を終わらせるための決定的な手段を目的にする。不一致にたいしては文明的に対処していく」、協定を「過不足なく」実施していくための「過渡的政府」を提案する際に主張した。

 

コロンビアのピエダ・コルドバ元議員は、和平協定調印を偉業と評価した。「戦争のもっとも暗い夜ですら、平和にたいする確信を失ったことはありません。しかし4年ののちにこれを達成したことにたいし、これを偉業と呼ばなければなりません」、弁護士であり、人権活動家のコルドバは自身のツイッターに書いた。

 

FARCにかつて誘拐されたコンスエロ・ゴンサレス・デ・ペルドモは、これは和解のための「大きなチャンスだ」、と述べた。やはり捕虜となっていたクララ・ロハスは、「偉大なプロセス」の終了とFARCの平和の約束にたいして拍手した。

 

協定はこの日の午後、議会へと送られた。ここは与党が多数派で、その実施のために承認がおこなわれる。討論は11月29日から上下両院で開始され、その様子は公開でテレビ中継される。議員のみではなく、犠牲者も反対者もこれに参加する。「わたしたちはこの責任をすべての義務とともに引き受ける」、上院のマウリシオ・リスカノ議長は宣言した。

 

しかしながら決定は、前大統領であり右翼の上院議員であるアルバロ・ウリベから疑問符をつけられた。かれの党はコロンビア人にたいし、街頭に出るように呼びかけた。さらにかれの支持者の何人かは、上院において調印に反対する行動をおこなった。

 

ウリベは改善された点があることを認めたが、「重要な側面」が変更されておらず、協定のいくつかの点を見直すための国民投票を準備する、署名活動の考えを明らかにした。

 

「国は平和を求めている。しかし不処罰ではない。そしてここには全体的な不処罰が残っている」、RCNテレビに向かって述べた。

 

極右野党の主要な要求の一つは、新しい協定も犯罪を犯したゲリラが、刑を済ますことなく選挙で選ばれる可能性を認めている点にある。

 

8月末以来の停戦は双方によって維持されているとはいえ、それが脆いことは、最近の軍と思われる部隊との戦闘でゲリラ2名が死亡したこと、社会運動の指導者が何人も殺されていることに示されている。

 

ルイス・カルロス・ガラン殺害に関係した将軍に有罪判決

 

一方コロンビアを揺り動かした事件から30年がたって、ミゲル・アルフレド・マサ・マルケス退役将軍は、禁固30年の刑を言い渡された。これは大統領予備選候補であったルイス・カルロス・ガラン暗殺事件に関係していたことによる。

 

最高裁(CSJ)が11月24日に発表した声明によると、マサ・マルケスは、1989年治安管理局(DAS)の局長であったとき、ガラン「殺害計画」の作成にかかわった。

 

最高裁によるとマサ・マルケスはガランのエスコート隊長に、信頼していた人物「パラミリタレスのヘンリー・デ・ヘスス・ペレス・ドゥランを任命した」。一方かれはメデジン・カルテルとつながりを持っており、1989年8月18日の大統領候補の暗殺事件を命令したものと思われる。最高裁は退役将軍にたいし、「テロリズムを目的にした、犯罪、殺人の罪の共犯の責任がある」、と有罪を言い渡した。

(N01485) [La Jornada による]