ボリビアのエボ・モラレス大統領は11月22日、アルバロ・ガルシア・リネラ副大統領をともなって、ラパス近郊の山岳地帯を、水資源を求めて巡回した。ボリビアの政治首都ラパスは、深刻な干ばつの影響を受けており、住民にたいして早急な水の供給が求められている。

 

ラパスの西部と南部、94地区の住民にたいする水の供給は15日間停止されており、これは前例のないことである。制限は11月20日にはラパスのほかの地区とエルアルトにまで拡大された。

 

数日前大統領は、ラパス高地に位置するインカチャカとアンパトゥリの貯水池を空から視察した。

 

11月22日にはモラレスと副大統領は、ラパス北西部の高地、パルコマ湖を訪れた。2人は地域のアイマラ住民と対話し、緊急にここから2つの貯水池の1つに水を引き、その水量を増やすことを明らかにした。そこでは貯水量は94%が失われている。

 

干ばつはエボ・モラレスの日程を変更させた。かれは国のそのほかの地域をまわり、国の事業に従事する予定であったが、これは延期された。

 

また大統領府大臣のフアン・ラモン・キンタナにたいして「水内閣」を形成し、かれが指導して水タンクによる分配をおこなうように命じた。これには暴動鎮圧用の車両ネプトゥノも使用される。これは普段は街頭抗議を無力化するための放水車として使用されている。

 

この「内閣」は環境・水、地方発展、計画、経済、国防、保健の各省大臣が加わり構成される。

 

軍の指導部が招集され、水の配給とラパス南部とエルアルトの高原において、井戸を掘削することが伝えられた。

 

当局の水の供給にたいする自信のなさから、安全にたいする規則が守られておらず、燃料用のタンクを使用しないように勧告されている。

 

ボリビア国営油田公社(YPFB)のギジェルモ・アチャ総裁は、タンク車を燃料の代わりに水を輸送しようとした。

 

「世界保健機関(OMS)ならびにいくつもの保健団体は、燃料あるいは有毒物質の輸送に使われるタンクを、飲料水用に使わないように勧告している」、環境問題の専門家オスカル・カンパニニは、注意している。

 

「(当局が)供給をおこなうことができないため、重大な誤りを引き続き犯しているのは本当に信じがたいことだ。国営石油会社の社長が水を配給しているのを見ることができるのはボリビアだけだろう」。

 

干ばつは当局にたいして、ラパス、ポトシ、チュキサカ各県の学校の年末休暇を早めさせることになった。ここの住民たちは1980年のときの生活と同様のひどい干ばつに苦しんでいる。このとき若い農民エボ・モラレスは、オルロの高原から、熱帯のコチャバンバ県、チャパレのコカ栽培地帯に移らなければならなかった。

 

これとは別に、ボリビア外務省は、1966年から1979年の軍事独裁時代の公式文書を、歴史の記憶の回復のために、機密解除の措置を取った。

(N01483) [La Jornada による]