ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ元大統領にたいする汚職の容疑は、9月20日、裁判にかけられることが判事によって決定された。これによりブラジルの政治局面は一層混沌としていくことになる。


セルジオ・モロ判事はルラについて、370万レアル(111万ドル)の賄賂を、国営石油公社ペトロブラスの腐敗にからんでゼネコンOASから、受け取った疑惑について裁かれると述べた。ルラは2003年から2011年まで大統領であり、この20年間でブラジルの政治にもっとも影響力を有する人物である。


ルラは「OASグループから直接的に利益を得て、告発によれば、ペトロブラスにかかわる犯罪構図からの資金であることの認識を持っていた」、検事の陳述書を基礎にしたモロの文書は述べている。この判事がルラにたいして明らかにしている敵意から、今回の決定は予想されていた。


クリティバの裁判所のこの判事によれば、贈賄の引き渡しは、サンパウロの海辺の「グアルハの3階建てアパートの購入、所有、装飾を通じて」おこなわれた。


ルラはつねにこの3階建て住宅の所有者であることを否定し、かれが対象となっている捜査について無実であることを主張してきた。それはかれにたいする「エリート」たちの法律的な計画、2018年の選挙に候補者となることを阻止するためのものであるとした。


ルラの後継者であるジウマ・フセフは上院による政治裁判によって、予算の法律に違反すると宣告され、先月に大統領職を罷免された。副大統領であったミシェル・テメルが大統領職を引き継ぎ、フセフはこれを「議会によるクーデター」と決めつけた。テメルはかれの政策を右に転換することによって、ブラジルが1930年代以来陥っている、経済低迷を終わらせようとしている。


ルラ、70歳は、検察によってペトロブラス汚職構図の「最高司令官」にされた。ここでは10年間に20億ドル以上の資金が流出した。フセフ罷免の2週間後のこの告発は、ブラジルをふたたび揺り動かしている。


ルラによって結党した左派の労働党(PT)と、連立を組んだそのほかの党が汚職による告発に直面しているにもかかわらず、最近の世論調査では、ルラが依然として2018年選挙のもっとも人気のある候補者の一人となっている。


ルラは3件の汚職の罪で訴えられており、それぞれについて、最大16年の刑が言い渡される。また3件の資金洗浄の容疑があり、それは10年の刑が言い渡される可能性がある。もしも罪があるとなれば、判決は判事によって決定される。


事件にはかれの妻、マリサ・レティシア・ダ・シルバ、そのほか6名が巻き込まれている。


ルラはすでにブラジリアの裁判所で裁判妨害未遂の容疑で裁かれている。PTの元上院議員のデルシディオ・ドゥ・アマラゥによると、かれは当局と刑を軽くしてもらうために協力したのだが、ルラは不正にかかわったペトロブラスの元幹部を、沈黙させるための買収計画に関わっていたという。


このほかにもクリティバでは、2つの捜査が公けにされている:サンパウロ郊外の家は本当に所有物であるのかを決めること‐第3者名義になっている‐。もう一つは「ペトロブラス疑惑で利益を得た建設会社」に関する疑惑で、ルラの署名がある、かれの講演に関する、ルラ研究所(IL)とLILS・パレストゥラス[ルラ競技場]への支払いが誇張されているというものである。

(N01417) [La Jornada による]