ジウマ・フセフ前大統領にたいする弾劾を始め、下院における元最高権威者エドゥアルド・クニャにたいする投票が9月12日夜議会においておこなわれ、450人が賛成、10人が反対、9人が棄権で、かれは議員資格をはく奪された。かれが外国に持つ500万ドルの預金口座について、これを偽ったことが議会にたいする名誉を失わせるものであったと宣告された。


かれは国営石油公社ペトロブラスに関する議会捜査委員会において、ブラジル国外に銀行口座を持っていないと証言したにも関わらず、その後スイスの裁判所から送られた資料によって、それが嘘であることが明らかになり、これによって下院において断罪されることになった。


労働組合、社会運動、左翼政党が組織した行進は、投票時を議会の門で迎え、結果を知るや、歓声を上げた。


投票を前にして下院総会において、クニャは自己を弁護し、ジウマ・フセフの労働党(PT)政府を攻撃、これはフセフにたいする裁判の門を開けたことにたいする迫害だと主張した。「わたしは弾劾裁判を続けたための代償を支払っている。わたしはブラジルをPTからの自由にしたための代償を支払っている」。


2014年の選挙で再選され、翌年2月に下院議長に選出されたクニャは、2015年11月に下院倫理委員会による汚職疑惑についての審理にかけられ、その結論を下院において同僚たちによって承認され失職くした。


クニャがその議席を失うためには、下院513議席の単純過半数、257人の賛成が必要であった。


超保守主義者で、マキャベリストとして、「ハウス・オブ・カード」シリーズの主役に擬して「ブラジルのフランク・アンダーウッド」と呼ばれるクニャは、スイスの銀行口座に500万ドルの名義人であったことについて虚偽の証言をおこない、これが「議会の名誉を失わせた」として告発されていた。この金はペトロブラス汚職の資金が流用されたものと考えられる。


最高裁(STF)は5月5日にかれの議長としての職務を停止させた。それは下院がフセフにたいする弾劾に賛成する投票をおこなってから、1か月に満たないときにおこなわれた。フセフは上院によって、8月31日に免職されている。


そのときからこの老獪な政治家は、しかしまだ58歳になったばかりだが、あらゆる法的手段を行使し、引き延ばし戦術を操り、自身の失職を防ごうとしてきた。いまは前大統領となったジウマ・フセフと労働党が、告発からかれを守ることを拒否したとき、これとの関係を絶った。


クニャは7月に下院議長を辞任していた。かれは自身のグループ、中道右派のブラジル民主運動党(PMDB)からも、少なくとも20人の支持を失っていた。PMDBにはフセフに取って代わったミシェル・テメル大統領も属している。PMDBのこのほかのクニャの同志たちは、議会に現われなかった。


クニャとテメルは、前左翼大統領から、彼女にたいする制度的「クーデター」を組織したとして、告発されている。


フセフはクニャを繰り返して告発して、彼女の政府がクニャにたいする倫理委員会の設置に反対しなかったために、昨年12月、彼女への弾劾の手続きを受け入れたのだと述べている。


一方でクニャは、フセフにたいする政治裁判の決定によって、現在のかれの困難さがもたらされているいると主張している。9月12日、かれが弁解を認められた下院総会においても、この主張が繰り返された。


クニャはSTFによって、汚職とペトロブラス収賄の資金洗浄に関連して、刑事事件の捜査対象でもある。


かれの妻、クラウディア・クルスもまた、「ラバド・ラピド」作戦によって捜査されている。

(N01408) [La Jornada による]