アルゼンチンの右派大統領、マウリシオ・マクリは、9月5日、大多数の労働組合が要求している、労働者、政府、経営者間の賃金に関する交渉(三者協議)を再開する可能性を否定した。これは止まらないインフレ、タリファソ[料金の大規模引き上げ]をまえにして労働側が要求していたものである。マクリはかれが昨年12月に就任して以来、7万から10万人が職を失ったことを認めたが、「解雇の嵐とは嘘だ」と語った。
G20に参加している中国から、テレビネット、現地のラジオにたいして、「解雇の嵐などない」、「それは嘘だ」と語った。そして:「すでに交渉をおこなった三者協議を、どうして行わなければならないのか」、「すでにインフレは収まっているというのに」、と主張した。
これはすべての労働運動の指導部にたいして、怒りを引き起こすものであった。すでに財務大臣アルフォンソ・プラ・ガイが、インフレは「収まっている」と述べたことにたいして批判が起こっていた。実際のところこの数日間も価格は止めようもなく上昇しており、小売指数はこの8か月のあいだ、甚だしく低下しており、この数か月のあいだで7%の低下が記録されている。
マクリはさらに9月2日におこなわれた大規模なマルチャ・フェデラル[全国行進]と、2つのアルゼンチン中央労働組合(CTA)の指導部が宣言している全国ストについて触れた。これらの組織について、「いかなる政府にたいしても、強硬な態度を常に示してきた」。そして現在統一されたアルゼンチン労働総同盟(CGT)とのあいだの交渉に信頼を置くと表明した。
現在のところ政府は最高裁(CS)にたいして、露骨な圧力をかけている。それはエネルギー大臣フアン・ホセ・アラングレンが決定した電気料金の値上げを否定しないようにである。それは「本当の地震を引き起こすであろう」。またマクリがかれの施政が「革命的変化」を起こし、信頼を作り出したとしていることに懸念を持たれている;「G20によって勧告された48の改革の、すでに30を取りかかってきた」。
副大統領のスキャンダル
マクリが帰るところは決して天国ではない。ガブリエラ・ミチェッティ副大統領は、8カ月にわたって、自宅に5万ドルと24万5000ペソを隠し持っていたとされる。これはマクリとともに副大統領職に就いたときのことで重大視される。
これらの金は彼女が運営する「スマ基金」の労働者の賃金のために得たもので、「金儲けを目的としたものではない」とされてきた;しかしこの団体には労働者は雇用されておらず、その活動についての記録もない。
ミチェッティは裁判にかけられている。しかし深刻なのは、これが一連のマクリの高級官吏が関係する財団とつながっていることである;大統領かれ自身がペンサル財団、米国のウルトラ保守、ヘリテイジとつながっている。
「今週に最高検(IGJ)は、副大統領の違法資金の出所について報告をおこなった。それは公安長官のエウヘニオ・ブルサコが関係するSUMAでもフンダル・フスティシア・イ・セグリダでもなく、運輸相のギジェルモ・ディエトゥリチのフォルマルでもない。これらはその報告を提出した。またマウリシオ・マクリによって2001年に創設され、昨年解散したクレエル・イ・クレセルもまた対象となっている。ラヌス[チーム]に責任を持つネストル・グリンデッティが指揮していたときについて」。新聞『パヒナ12』のイリナ・アウセルは最近、この捜査状況について明らかにした。この件はアリエル・リホ判事により、modus operandi(行動手法)が調べられており、マクリの選挙キャンペーンに使われた可能性がある。
ミチェッティの弁護士は9月5日に彼女の弁護を止めたため、知り合いの法律家、元法務大臣であり元急進党の議員であるリカルド・ヒル・ラベドゥラを頼らなければならなくなった。
この事件は大統領に及ぼうとしている。すでにかれのパナマとバハマのオフショア会社は、捜査の対象となっており、この問題はマクリの家族のビジネスがブラジルにおける捜査対象となっていることとともに、事態を重大化している。
(N01402) [La Jornada のStella Calloni による]