1月15日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、経済非常事態宣を全国に60日の期間で発令した。この期限は延長できる。その目的は、この国が直面している危機に対処するため、「変革」することを可能にするためである。この宣言はマドゥロが年次施政方針を、野党が多数となった議会で初めておこなう数時間前に出された。野党にたいしては、いかなるテーマであれ、国の「平和」を見出すために、対話をおこなうことを呼びかけている。


この大統領令は、政府にたいし、議会の会計監査をへることなく予算にたいする管理の権限を強めること、企業や私的財産にたいして食料など必需品の供給を目的として介入できるようにすること、外貨との両替の最高額を定めることなどを認めるもので、経済部門を担当するルイス・サラス副大統領が発表した。


政府は「適切な手段」によって、「投機や外貨の架空の価値、富やサービスの分配システムのサボタージュから発生するインフレの影響を緩和し、また石油価格戦争の結果に対処する」ことが可能となると主張されている。


この発表から数分後、中央銀行は1年間の沈黙ののち、経済実績の数値を明らかにした:国内総生産(PIB)は2015年1月から9月にかけて4.5%のマイナスとなった。同じ時期、インフレは108.7%上昇した。


2015年第3四半期まで蓄積されたインフレは、1996年の金融危機以来もっとも高いものとなっている。明らかにされた結果によると、この石油の国の経済は、米州のなかで最悪の状態にあり、2014年の初めに始まった不況は長引いており、インフレももっとも高い:9月までの年率では141.5%となる。


さらにベネズエラ石油産業は、原油と副産物が12.5%下落し、今週には1バレルあたり24.38ドルまで価格が下がったと石油省が発表した。


緊急事態は1月16日同日、ガセタ・オフィシアルが印刷されることによって施行される。大統領令は議会(一院制)に送付され、そこで議論され承認され、また60日間延長されることが可能である。同時に最高裁(TSJ)は、その合憲性について明らかにしなければならない。


マドゥロは、企業家と野党による「経済戦争」と闘うためには特別の権力が必要であり、かれらにたいしてインフレの増進、経済退潮、必需品の欠乏の責任をかした。


国民へのメッセージのなかで、マドゥロは危機は破滅的であることを認め、ガソリンの価格を引き上げる「ときがきた」と述べた。国の収入の60%以上が減収しているなかで、ガソリンは世界でもっとも安かった。


「われわれは経済の嵐のなかにあり」、ここでは2つのモデルが衝突している。「社会主義者のみが人民を守ることが出来、それは民営化をおこなおうとする新自由主義モデルではなく…かれらは民営化法を成立させるためには、わたしを打倒しなければならないだろう」。


10日前に始まった議会を前にして、「合法的な」後ろで「政府を変えようとしている」と述べ、マドゥロは「ベネズエラがわれわれに要求している平和にとって必要であるならば、いかなるテーマであっても」話しをする用意があると述べ、対話については野党に受け入れられている。


議会における歴史的な構成について、憲法のおかげで野党が多数となったので、完全な自由のなかでのことであったと指摘した。


一方では、真実・正義・平和の委員会の設置を、政治犯を釈放するための、野党の推進する恩赦法案の対案として提案した。


「双方からの正義と真実と平和の全国委員会を提案する。それはベネズエラ人の多くから信頼されるものがリーダーとなり、法的な基盤の上で、平和の過程のために設立され、殺人者が自分自身を許すために押し付けるものではない」。


この文脈でマドゥロは、最高裁にたいする野党議員の選挙に異議申し立てをおこなった。10人の野党議員にたいしては、与党から不正選挙との告発がなされている。

(N01304) [La Jornada による]