(参考:0880「米国裁判所、シェブロンへの賠償命令を無効と判決」)


9月4日、カナダの最高裁はエクアドルの住民にたいし、巨大石油企業シェブロンにたいして、環境被害にたいする賠償請求をおこなうことを認める決定をおこなった。ただ法的争いの背景などについての言及はなかった。


これによりカナダの最上級審は、オンタリオの裁判所による、エクアドル人によるカナダのシェブロン資産にたいする請求を却下した判決を覆したことになる。これは1970年から1990年までのラゴ・アグリオ地方の環境被害にたいする賠償の支払いをもとめたものであった。


カナダ最高裁の意見によれば、シェブロンは「オンタリオに事務所を持っている。この事務所による商業活動は継続されている;この県における顧客にたいするサービスを提供する代表を持っている。裁判所はこの状況では、これの法的根拠が存在するものとみなす」、というものであった。


このような訴訟において賠償請求のための、「権限の及ぶ資産は(・・・)疑いもなく請求の中心的なことがらに関係している」。


しかしながらカナダの最上級審は、「裁判権が及ぶという認識は、原告にたいして(賠償請求の判決をもとめる)ための法律適用の機会を与えるにすぎない」として、この裁判自体にたいしての態度を明らかにすることはなかった。


エクアドルの請求者たちは、エクアドル裁判所の判決の基づいて、95億ドルの賠償請求をおこなっている。


この賠償請求はテキサコによる環境破壊によるものだが、この会社は2001年シェブロンによって買収された。テキサコは1964年から1990年のあいだ、エクアドルのアマゾン地方において活動をおこなっていた。


エクアドルにおける判決は、不正と買収によって出されたものだという理由で、シェブロンは賠償の支払いを拒否している。この主張は昨年、米国の連邦判事によって承認された。


AFPにたいしてシェブロンのスポークスマンであるジェームズ・クライグは、「この9月4日の判決は、エクアドルにおける不法な裁判にたいして、その適法性、適用性に何ら影響を与えるものではない」と指摘した。単にオンタリオの裁判所がこの問題を扱う「権限がある」ことを決めたに過ぎないと語った。


シェブロンはまた、テキサコが1990年代にエクアドルを去るとき、必要な洗浄作業のための支払いをおこなっていると主張している。


一方エクアドルの原告たちは、水の汚染によってさまざまな病気に苦しんできたと主張がされている。

(N01224) [AFPによる]