(参考: N01220「ベネズエラ国連大使へのインタビュー」)


コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領は、9月3日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領と、この3週間のあいだ、両国関係を緊張させている国境問題に対処するために会談をおこなう「用意がある」と述べた。しかし人道上の「いくつかの条件」があると付け加えた。


「マドゥロ大統領と会う用意はあるとかれに言いたいが、コロンビア人はみずからの基本的な権利が守られることが必要だ」、サントスは北西部の都市、サンタ・フェ・デ・アンティオキアからのテレビ演説で語った。


サントスがマドゥロとの会談のために設定した「条件」のなかには、国境のベネズエラ側にいる2,000人以上のコロンビア人の子どもが、「コロンビアの学校に通うことができる」ための「人道的通路」を承認することが含まれている。ベネズエラによる国境通過地点がいくつも閉鎖されたことによる。


さらにサントスは、この危機のなかで追放された1,300人以上のコロンビア人の所有物を回復するために、ククタの国境から15台のトラックが入ることの承認を求めている。


対話のための最後の条件は、ベネズエラ当局が「最低限の外交儀礼を守り、ベネズエラを追放されたコロンビア人を悪く扱わない」ためのものである。


もしもこれらの「人道上の問題が実行されるならば、わたしはこの問題を解決しようと思う」、サントスは述べた。「マドゥロ大統領に保証するが、われわれはこれを解決することができるだろう」。


危機は8月19日、マドゥロによってタチラ州のコロンビアのノルテ・デ・サンタンデル県との国境の閉鎖が宣言されることによって始まった。これはベネズエラ軍が、密輸業者にたいする作戦を実施中に攻撃されたあとに始まり、マドゥロはこれを「コロンビアのパラミリタレス」の仕業であるとした。


緊張は1週間前に、避難民への人権違反についての告発のなか、両国がそれぞれの大使を召還したときから高まった。11,000人以上がベネズエラから追放されるか、これを恐れて逃げてきたものたちである。


‐メディアのコントロール―


9月3日、コロンビアのマリア・アンヘラ・オルギン外相は、ベネズエラのデルシー・ロドリゲス外相との8月26日の会談について明らかにして、ベネズエラ側はその要求のなかで、「マスメディアのコントロール」を要求し、コロンビア側はこれを拒否したと述べた。


「われわれにたいしメディアのコントロールが要請された。コロンビアの答えは、ここでは表現の自由がある。そしてこれは議論のテーマとはならないというものだった」、オルギンは記者会見で述べた。


この危機に関係して、マドゥロはすでにサントスと直接会談する用意のあることを表明している。さきの9月2日の会話において、パナマのフアン・カルロス・バレラ大統領は、マドゥロが「サントスと互恵の形で会談を、エクアドル、あるいはパナマ、あるいは両者が合意する場所でおこなう用意がある」と述べていた。バレラは現在のコロンビアとベネズエラの危機の仲介者を申し出ているが、数日前から両者にたいして、対話の席に着くことをを急ぐように働きかけてきた。コロンビア側からの米州機構(OEA)緊急外相会議の召集の提案が成果がなく、また南米諸国連合(UNASUR)の緊急外相会議の日程も定まらないなかで、ベネズエラ外交当局も、両国首脳の直接会談を主張してきた。この9月3日にはマドゥロは潘基文国連事務総長とこのテーマについて会談したが、それはオルギン外相、彼女はコロンビアの国連での代表とされてきたが、潘とこの人道危機について会談を持つ予定に先駆けたものであった。両国は多くの場所で出入りする2,219キロにおよぶ国境を共有し、この地域では違法組織の活動が告発され、密輸組織は石油製品やベネズエラ政府によって高い補助をを受けている製品の売買で巨利を得ている。

(N01223) [AFPによる]