[La Jornada のJuan Pablo Duch による]


5月7日、ロシアのウラジミル・プーチン大統領、キューバのラウル・カストロ議長はモスクワで会談、双方は「有意義で穏やかな」雰囲気のものであったと表現、両者間のあいだに対立する議論やテーマは存在しなかった。両国は2国間関係を引き続き強化していくことを確認した。


カストロはロシア政府が準備するナチスにたいする勝利70周年を記念する公式行事への招待を受け入れた指導者の一人で、5月7日、やはりディミトリ・メドベージェフ首相との会談をおこなった。


カストロは5月9日に赤の広場でおこなわれる軍事パレードに観覧席から参加する予定である。このヒットラーのドイツへの勝利にたいするソビエトの貢献を認める式典に、米国や欧州連合(UE)の大多数の国は、ウクライナ紛争、そのほか現在の政治的理由から参加しない。


「われわれの維持してきた大きな友情、両国人民の結びつきから、この勝利70周年の式典に参加しないわけにはいかない」、カストロはプーチンとの会談の初めに語り、その様子はロシアのテレビで放映された。


両国関係を点検するに良い機会に、5月8日、この日は両国の外交関係が樹立されて55周年となり、プーチンとカストロはこれを祝い、ロシアとキューバが外交分野において共通する立場にいることを確認した。


ソビエト時代はキューバはラテンアメリカでもっとも良好な同盟国であったが、ミハイル・ゴルバチョフのペレストロイカとともに距離を置くようになり、1991年のソ連の解体後、ボリス・エリツィンによって進められた資本主義への混乱の過渡期に、より遠ざかるものとなった。


しかし10年間の不一致による冷却状態ののち、2000年、プーチンのキューバ訪問によって関係は再構築されることになる。対話は再開され、最高レベルの公式訪問によって、2009年1月には、ロシアとキューバは戦略的協力の原則の覚書に調印する。


このような文脈のなかで、ロシアは昨年の夏、ソ連時代のキューバにたいする債権の90%、310億ドルの帳消しをおこなう。現在はわずかに31億ドルが残るのみであり、これは10年間の期間で、ロシアはキューバにたいして投資をおこなうことを約束した。


現在のところ、マキシモゴメスとアバナエステの水力発電所の再建築、マリエル港、アンティジャナデアセロにおける冶金コンビナートの近代化プロジェクトが存在する。


ロシアはまた、貨物と交通の要所となるターミナルを担う、サンアントニオデロスバニョス国際空港の建設に参加したいという希望を持っている。


すでに2年前から、Cupet(キューバ石油会社)は、ロシアのコンツェルン、ザルベジュネフチ社と合弁企業を設立、ボカデハルコ油田のボーリングを開始している。


これらのプロジェクトは、5月8日モスクワで、両国の大統領によって、短中期的な期間内に実現される可能性が高いと見なされた。(N01139)