「――――――初めてのデート(?)」
刻々とにぃにと離れることが迫ってくる今日この頃。
私は精いっぱいにぃにと居れる瞬間を噛み締めてその日を迎える。
ある火曜日の朝。
私は洗面所で歯磨きをしていた。
すると、ぼーーとしてた頭が一気に吹っ飛んだ。
鏡の中の私の後ろににぃにが居る!?
私はびっくりして、ブラシを口に入れながら振り返った。
すると、にぃにはクスッと笑った。
雅「――ふふっ…ちょ…口回り・・・」
ふと鏡を見ると、歯磨き粉の泡が口周りにびっしり!!
恥ずかしくて急いでうがいしてタオルで拭いた。
―――あー恥ずかしかった・・・・こんなところ・・・にぃにに見られたなんて、恥ずかしすぎる・・・。
『・・・・で、何?/////』顔を赤くしながら平常心を保った。
雅「あ・・・あのさー……今日さ、映画行かない?」
私は口をあんぐり開けボー然とした。
映画・・・??それって・・・デ・・・デデデ・・・・・
―――――デート!!!????/////
『な、何で私と??』
雅「・・・いやっ友達に貰ったんだけどさ、これ、今日までなの!早く渡せよって思わない?」
『ははっ・・うんっ』
雅「で、今日だからさ、捕まえる友達も中々いなくて・・・『妹』だったらいいかなって…これ、好きでしょ?」
と差し出すチケットの中は『恋愛系』。
『あ・・・うんっ好きっ』
雅「じゃあ・・・・行く?」
『そ・・・それってさ・・・・にぃに・・と??』
雅「・・・・・そうだけど、、ダメだった?」
『あっううん!!いいけど!!何時からなの?』慌てて話をずらした。
にぃにはチケット見てこっちを向いて言った。
雅「んーー・・・・夜の、8:00かな?」
8:00・・・夜ににぃにとデート・・・
雅「俺もなるべく早く行くからさっ、8:15分に開演だから、その前に映画館で待ち合わせってことで・・・」
『あ・・うんっ!!////』
雅「―――じゃっ」
振り返りざま笑顔で手を振ったにぃにに私も手を振り返した。
―――嘘じゃないよね?
ほんとに・・ほんとにほんとに・・・にぃにと二人きりで会えるの?
そうだ・・・平常心にならなきゃ・・・
さっきまで嫌いになってほしいなんて思ってたのに、
こんな嬉しい事あるとすぐ忘れちゃう。
「もっと私を好きになってほしい」って無駄ながら思った。
―――あっでも、夜ってことは・・・服着替える時間はないし、制服よね?
それでにぃにもそのまま駆けつける的なこと言ったから・・・スーツ??
やだっ!!かっこよすぎる!!・・・てかっ、外で二人でそんな恰好・・・
―――変に思われないかな?
ううんっ!別に兄妹なんだもん!普通にしとけばいいし、普通に考えたら、制服にスーツの男性・・・兄と『妹』??それとも、年の離れたカップル??
いやいやっ嬉しいけど!!そんな!!!
ぶんぶん顔を横に振る。
母「どうしたの?」
急に母が現れびっくりして大きい声を出してしまった。
母「・・・・ちょっと・・・遅刻するわよ?」
『あ・・・うん!!』恥ずかしくてその場から急いで逃げた。
あ・・でも、親には言うのかな?にぃにが言ってくれるの?
まぁ、別にそんな深く考えることもないかっ―――
私は鞄を持って外に出た。
***
『おっはよぉーー!!』
通学路を歩いてると前に真美が居た。
「ん?…あ、おはよっ」
『んふふふふっ』
「・・・・なに?何かあった?」
『・・・・ふふふっ何でもない!』
「・・・・そう」
嬉しくて顔がにやけちゃう。
真美はじっと私を見つめてる。
言いたいけど、恥ずかしくて・・・・
え・・でも、真美には言ってもいいよね?…ていうか誰かに話したい・・・
『・・ね、ねぇ・・・真美?』
「・・ん??」
『わ、私ね・・・・にぃにとね・・・・』
「・・・うんっ」
『・・・・今日の夜映画館に行くの・・・////』
恥ずかしくて段々声が小さくなっていた。
そんな報告を受けた真美は、
「――あぁそう、よかったね?…それで?」
『あ・・・それだけ・・・』
まぁ真美からしたら普通だよね・・普通の反応・・兄と行くなんて普通に考えたら、そんな嬉しく思うことはない・・・。けど・・・
「せいぜい甘えて来なさいね!」とチラ見でこっちを見た。
え・・・真美・・・私の心・・・
「好きって思い言っちゃえば?」その言葉に確信を得た。
『真美・・・知ってるの?わ・・わわ私がにぃにを・・・』
「本気で好きってこと???」
食い気味で言われて思わず顔を赤くした。
「―――わかるよっバレバレ!」
『・・・・どこで??』
「・・・・・お兄さんが帰ってきた時チラッと見ると、恋する乙女みたいな顔するんだもん!そりゃ誰だって気づくよ!」
―――誰だって・・・・・
『それ・・・にぃにも・・かな??』
「・・・・さぁ??…本人に聞いてみれば?」
『む、無理!!無理無理!!…もし、気持ち悪がられたら・・・』
「じゃ普通に接すればいいんじゃない?」
『いや、でも・・・』
にぃにを目の前にすると、何か緊張するんだよね・・・
すると「はーー」と溜め息を吐く真美。
『・・・・真美???』
真美は立ち止まりくるっとこっちを向いた。
「そんなじゃあ一生気持ち分かってもらえないよ?…時には勇気出して近づいて行ったら、お兄さんだって、ドキドキするかもよ?」
にぃにが・・私に??
『ううん・・・・そんな、そんな嬉しい事・・ないよっ』
「―――・・・まぁ最後は自分で決めてね?」
『えっ!?』
「何?私に預けるの?」
『・・・・・』
「私は無理!そんな重いもの、預けないで?」
『真美ぃ~~』
「・・・・・はぁー、―――頑張って?」
真美はニコッと笑って言ったがすぐ真顔に戻って歩き出した。
――――そんなぁ・・・「好き」って言うなんて・・・
普通に接しろって・・・・
どっちも無理・・・//////
で、でも・・私なりにやればいいんだよね?…それでにぃにが振り向かなくても・・・
ねっ?真美??
真美に心で問いかけると真美が振り向いた。
「―――遅刻するよ!」
『あっ待って!!!』
うん、自分の事は自分で決める。
――――自分通りに動けばいいんだ・・・・。。。