手術当日。オペ担当医が挨拶に来てくれました。若い先生でした。
オペ前に時間に余裕をもって、やさしい担当看護師さんが点滴をしに来ます。予め、お手洗いと手術着の着替えは済ませています。
時間になると、ベッドごと手術室へ搬入されます。
どこをどう通っていったのか、あまり覚えてないので、かなり緊張していたのでしょう。
どんなオペであるかは、かなり詳しく説明を受けていて、安心だと分かっていたのに。
気持ちとカラダが乖離してましたね。
オペ室に入ると、点滴をつけたまま手術台に移されます。右足の付け根あたりに局所麻酔。
フランス料理を作るとき、豚肉の大きな塊に注射針で食塩水を注入したことがあるんだけど、そんなことをぼんやり思い出してました。
意識はあるんです。局所麻酔だから。
がん細胞が健康な細胞から栄養を横取りする、寄生血管探しが始まりました。
カテーテルを巧みに操り、カテーテルの位置を撮影しながら行われます。
自分の体で何がされているのか、初めは冷静に観察する余裕はなかった。
けれど、後にこれを2度経験することになるのです。そうすると、何となくまわりが見えてきます。
カテーテルを通してゆくルートを予めシュミレーションされているのでしょうか。
いまだに不思議です。
寄生血管を見つけたら、少量の抗がん剤を注入、そのあと堀先生が開発された塞栓物質で栓をして完了。
私の場合、原発巣の右胸と脇リンパの寄生血管を処理したあと、脳付近を通るルートでじゅうかくリンパの処理をする予定だったものの、件の血管を見つけるのにとても時間がかかり、脳の損傷を考えると断念せざるを得なかったそうです。
大学病院から移ってきた理由が、この、じゅうかくリンパだったので、こいつをやっつけるのに、次回からのオペの担当医も変更になりました。
オペの所要時間は、1時間半から2時間だったと思います。予想より短いので、このオペを知らない他病院の看護師に話すと驚かれました。
こんなにすばらしい技術なのに、知らない人が多いなんて、ね。残念で仕方ありません。
オペの後は、カテーテルを挿入された小さな穴の止血のため、止血帯を巻かれ、3時間はベッドから動けません。が、その後は体は自由です。
当たり前のように動けて、翌日には退院する人も多くいます。
私の場合は、吐き気が翌日にやってきました。一日食べられなかったけど、翌日には元気になっていました。
全身に抗がん剤を使用する化学療法とは、大違いです。
あらためて、この方法を選択してよかったと思いました。
オペの結果は1ヵ月後に再び確認することになりました。腫瘍の大きさから考えると、1回の治療では完治は見込めないのでオペの予約も同時に入りました。
1ヵ月後のがんがどうなっているのか、ちょっとワクワクしました。