一昨日から金沢を往復した際に、地質学的、考古学的に意味の深い土地を通過したが、今になってその時の複雑な波動を思い出している。
長野から北の上信越道が通過する区間は、日本の地質学でも注目される複雑な地形と、今でも動き続けているプレートの接触が作り出す多様な波動が流れるところだが、そこに身を置いてみると、そのことをより実感するものだ。
日本アルプスを作り出したプレートの動きは、今でも大きな動きがあり、地質学的な時間で見れば、いずれは日本列島が分断されるであろうという予測がされているが、その動きのまっただ中にあるのが上信越道が通る地域を含む一帯で、ここにはフォッサマグナや糸魚川静岡構造線など、地質学的に重要な意味を持つ地形が溢れている。
波動を探ろうとしても、余りに複雑なために短時間では的確な判断が難しいが、それを作り出しているのが今でも盛んに動いている大地と言えるだろう。
その一方で、多様な歴史的出来事もこの付近では起きており、その象徴がナウマン象などの化石が見つかったり、縄文文化の遺跡が発見されたりするところだが、トイレ休憩を兼ねて立ち寄った黒姫野尻湖パーキングエリアでナウマン象のブロンズ像を見て、改めて意識させられた。
そして、そうしたものが作り出す多様な波動を味わうことができるのも、この地域の楽しさである。
上信越道と共に北陸新幹線もこの地域のいくつかの谷筋を横断するような形になっているが、そのポイント毎に感じら得る波動は、時間が合ったらじっくり探りたいものを作り出している。
今回は時間が無くて通過するだけだったが、そうした波動を味わいながら、そして以前に波動を楽しませてくれた糸魚川から親不知にかけての海岸線で夕陽を眺めながらそんなことを思い出し、忙しい日程を恨みながらの運転だったことを思い出している。
5月の終わりにこんなことを考えるのも、最近の私の行動パターンが、自分自身の波動とややズレていることを表しているのかも知れない。