朝の5時からメシもそっちのけで連日見ているBSNHKの野球中継、大谷クンの居るナショナルリーグも、60年来からのヤンキースファンを自認しているオレも一年に一度のリーグ優勝戦の真っ最中とあって昼までそのままテレビの前に居る。でもこれじゃやっぱり身体に悪いよな、、っと思い今朝は大谷クンが特大ホームランを打ってドジャースの勝ちが決まってから慌てて実に久し振りだが映画館へ駆けつけた。最近は映画の評論や上映中の作品を検索する事もないのだが何故かこのヘンテコリンな邦題だけはアタマにインプットされていた。
そしてやっとこさ字幕版の上映時間を確認して入ったのが”2度目のはなればなれ”と言うマイケル・ケインとグレンダ・ジャクソンが老夫婦を演じる作品でこの映画が最後で俳優業から引退すると聞いたのでじゃ見ない訳にはいくまいとなった次第だ。原題は”The Great Escaper”と言って往年の大ヒット作、”大脱走”をモジったのかと思いきや老人ホームに居住する老夫婦の爺さんが遥々フランスのノルマンディ海岸まで行ってしまうと言うところから”大脱走者”って事になったようだ。まあ確かに映画を見ればこの邦題の意味は理解出来るのだが、、、但し、字幕:戸田○○〇(まだ現役?)と出て来た瞬間オレの方が脱走したくなってしまった。
館内は案の定、半分は入っていたが若い人は何処にも居ない。辛うじて上映前に入ったトイレを見回っていた若い兄ちゃんに出会ったくらいだ、、すれ違いざまに”てっきり役所広司かと思ったよ”と言ったら流石に映画館に居るだけあってオレのジョークを理解したようだ、。それとも全く何の事か判ってなかったのか?
ともあれ映画は想像してた展開とはかなり違っていた。マイケル・ケインは実年齢でもうすぐ90歳、グレンダ・ジャクソンはイギリスで撮影が終わったのが22年6月だったが翌年10月に87歳で亡くなっているのでまさにこれが遺作になってしまった。映画の背景はノルマンディ上陸から70年記念とあってオバマ大統領やエリザベス女王がニュース映像として出て来るので14~15年くらい前の出来事ではなかろうか?
確かに日本の老人ホームや老後施設と比較したら何とも優雅な生活振りだよな、、と我等似たような世代からは羨ましいものだが劇中、老後資金の事や子供達を始め近親者の事などは一切出て来ない。ひたすらバーナード(M・ケイン)の突然のノルマンディ旅行と置き去りにされたレネ(G・ジャクソン)の日常が交錯する。
実はバーナードは70年前にノルマンディ上陸作戦に従事していた事が判る。更にその上陸作戦で戦車で上陸するタイミングを待っていた戦友を亡くしている。なのでバーナードに取ってはノルマンディの式典へ行く事は贖罪なのかも知れないし彼自身も過去に終止符を打ちたい気持ちの表れかも知れない。道中色々な登場人物も出て来るのだが彼に取ってはノルマンディは聖地である、、奥さんには退役軍人の団体旅行で行くと話していたのだが申し込みが遅れてしまい団体では行かれずある朝、思い立って単身出掛けて来たので老後施設ではバーナードが行方不明だと警察へ捜索依頼を出したりてんてこ舞い、レネはそんな経緯は知っているし多分自分勝手にフランスへ行ったんだろう、、程度に思っていたのだが周りは大騒ぎになってしまう。
その人探し捜査中に本部からバーナードの行き先を知ったパトロール中の婦人警官がふと漏らした言葉が”Great Escaper”でその逸話を聞いた新聞社が自社のトップ紙面に”老バーナードの大脱走”とやったものだからメディアは大騒ぎ、一気にバーナードの知名度が上がり老後施設には大勢の記者やカメラマンが押し寄せて来てしまう。っとまるで英雄扱いになったバーナードだがやっと(と言っても数日間の出来事)レネの元へ帰って来る。と言うハッピーエンディングになっていた、。
実はこの映画には元ネタになっている原作とか誰々に捧げるなんて言葉は出て来ないにも関わらずエンディングのクレジットにはあたかもこれは事実に基づく物語です、、風なテロップが流れる。ネタバレになるのでそれ以上書かないがもしそうなら我が家でも何を放り出してでもこの二人にあやかりたい。前後不覚に号泣する映画ではないのだが結局最後のエンディングロールが終わるまで座っていた。
でもまあこりゃ技術的な事だが映画館も試行を凝らし色々付加価値をつけて観客動員に励んでいるのは充分理解出来るのだがナニもこの手の映画に”センサラウンドとか大音響”の装置が必要なんだろうか?劇中、ノルマンディ上陸に於ける戦闘場面がフラッシュバックで出て来るのだがその爆音たるやもの凄い大音量なのだ。トム・クルーズが出て来るような派手なアクション映画ならいざ知らずこんな90歳を迎える爺さんを主演にした映画にそんなモンは必要なかろう、、こんな大音量で見せられるならオレはもう映画館とは縁を切る。中にはこれなら補聴器はイラネーな、と言っている人もいるのかな?
