もう何回目になるんだか、、テレビで放映されるとつい見入ってしまうと言う典型的なイギリスのロマンチック映画かも知れない。制作されたのはもう25年も前なので主演の二人も実に若い、ジュリア・ロバーツもヒュー・グランドも人気最盛期だったのではなかろうか?オーストラリアに居た当時、劇場公開された際はこりゃボクのストライクゾーンじゃないな、っと思いそのままスルーしていた。そしたら友人のティーンエージャーになるお嬢さんに「絶対気に入るから見てね」っと言われちまった。更にはこの映画の3年後には前回同様に“ラブ・アクチュアリー“を勧められこれは無条件に映画館へ駆けつけたっけ。

 

かように親子以上に年の離れた若いお嬢さんは一体どんな視線で映画を見ているんだか、、そしてどんな映画が好きなんだか、を検証するには最適である。当然の事ながら“カサブランカ“とか“地上より永遠に“とは全く違うし当時の年齢じゃ拒絶反応が起きてもおかしくない。さてそれから25年が経過して彼女も結婚、出産を控えてこの古い作品を見るとどんな印象を持つんだろうか?今度機会があったら是非聞いてみたい。

 

それにしてもこの“ノッティング・ヒルの恋人“の設定は世の男性諸君垂涎の的と言えるだろう。何せハリウッドの人気トップ女優がしがない専門ブックショップのバツイチ男と恋に落ちる訳で住む世界も環境も全く違う、、一帯どうやって二人は歩み寄り恋を育む事が出来るのか。そんな設定である日突然アナ(J・ロバーツ)が旅行本ばかり並べたタッカーの店先へやって来るところから物語がスタートする。

 

それが矢張りここでも脚本が実に素晴らしい、二人が初めて出会う先の本屋のシーン、タッカー(H・グランド)の妹の誕生日パーティでのやり取り、招かれてホテルへ駆けつけたら新作記者会見の場だったり、日本食屋での隣のテーブル客とのやり取り、、そして最後の記者会見と見どころ、イヤ、聞きどころが満載である。監督のリチャード・カーティスが脚本も書いているのだが“ラブ・アクチュアリー“同様にゲラゲラと観客を笑わせるでなくしてやったりと観客を妙に満足させる微笑みが随所に散りばめられている。

 

この映画でもそうだがバックに使われているテーマソングも実にタイムリーで映画の評価を上げる効果絶大である。これはもうリチャード・カーティスに限らずイギリス映画の伝統とでも言えるかも知れない。そんなで気がついたらもう最後の記者会見の場面だった、、これはもう“ローマの休日“のエンディングと同じであっちはアン女王、こっちはアナ姫が心情を吐露する事でタッカーとの新生活を予想させる。