制作されたのは1942年、この前年に日本軍の真珠湾攻撃があった訳で世界中が戦禍に怯えていた時期だがそんな風雲急を告げる時期にこんなメロドラマがアメリカ国内では制作されていた。ボクが愛してやまない“地上より永遠に“は1953年と戦後直ぐに制作されているがその背景はその真珠湾攻撃である。

 

この“カサブランカ“はたった一組、リックとイルザのお話だが“地上より永遠に“の方は男女二組の関係を描いたもので双方とも映画史に残る名作として戦後、70年以上が経過してもその評価は変わらない。しかし実娘(アラフォー真っ只中)に言わせると両作品とも全く語るに至らないそうだ、、。その意見は判らないでもない、、確かに映像はモノクロだしスタンダードサイズでの撮影で明らかに背景はスタジオと今のレベルから見ればこりゃもうテレビドラマの範疇である。

 

 

ああ、そろそろ野球中継が、、前回こうやって中断したら折角の記事が消滅してしまったので取り敢えずこのまま投稿をば、、

 

っと今朝書いたのだがその後、、ドジャースの試合も終わり大谷クンのホームランと勝ち越しヒットで2打点と今日も勝利に貢献した。今年は元スーパーヒーローだったオレル・ハッシュハイザー氏が古巣のドジャーズの解説をしているのだがこれがイマイチ乗れないのだ。昨年までのエンジェルスの放映権を持ち担当していたバリースポーツのマーク・グビーザ氏の大谷に対する解説とはかなり違うのだ。特に大谷クンの打席、ホームランを放った時の興奮振りが無性に懐かしい、、おっと話が脱線したがその”カサブランカ”、。

 

今見てもその映画の良さはあちこちに見られる。先ずボクのツボは脚本の良さ、これに尽きるような。アメリカの映画史に歴代のベストセリフランキングと言うのがあるが決めセリフに複数ランキングしているし近年のようなスラング、Fワードの連発なんて事は一切ないのだ。にも拘わらず実に的確に主人公の心情と各自が置かれた情景をセリフに託して観客に伝えてくれる。

 

それらは幾ら原作が優れていても映画用に書かれたスクリプトは全く別物でありそのやり取りを聞いているだけで登場人物の置かれた立ち位置が判る程に優れたものだ。ミステリー的な要素は何故イルザが待ち合わせ場所であるリックの待つパリ駅へ来なかったのかと言う点だけだがこの説明に置ける脚本だって素晴らしい、、。ごく普通に日常会話で使われる言葉で訴えるイルザ、そして一瞬にしてリックの疑念が融けてしまう、僅か数分の場面だがこんなシーンが満載されているのだ。

 

オレが日本人だからこんなセリフ回しに感嘆する訳じゃなく英語を母国語として更には商売道具として使っているハリウッドの業界人からも絶賛されているって事は紛れもない事実である。派手な映像やCGに頼らずとも脚本だけでこうして評論家諸氏から絶賛される映画ってのはもはや近代社会に於いては貴重品である。