うちの小規模マンションは総戸数60戸、それが2棟に分かれていて夫々別のエレベーターに乗らないと希望の階へ上がって行けないのだ。外見は一つの建物だがAとBと2基あるエレベーターのどっちに乗るかで行く先が違って来る。

 

これはワンフロアーに3戸っきゃなく住人には都合が良いのだが宅急便やUberでやって来る宅配業者泣かせである。305号室へ行こうと思ってBのエレベーターに乗るとその行き着く先には301、303、304っきゃ無いと言う訳で一旦ロビーへ降りてから廊下をトボトボ歩きAのエレベーターに乗らないと目的部屋へ辿り着けない、と初めての人には実にややこしい作りである。従ってインターフォンで応えた時にエレベーターの色を指定する必要があるのだがこれまで言い忘れて業者に行ったり来たりさせた事が複数回あった。

 

 

そのマンションの理事会、役員をやって欲しいと請われてこの一年半ばかり毎月開かれる「寄り合い」に出席してはああだこうだとやっているのだが理事長を含めて僅か6名の出席者にも拘らずこれがなかなか一筋縄では行かないのである。一番大きな問題は改修工事などで大きな出費が予測される場合だが毎回必ずや話し合わなくていけない案件が出て来る。

 

現在の懸案事項は公共部分の水漏れ補修、それと全館全ての共用部分にある電灯をLEDに変更した後の状況説明と電気代の減額率、さらに理事会の役員になれる住人の募集である。言葉に書けば僅か二行で済むのだがコイツを話し合うとなると毎回2時間話し合っても決まらないのだ。さほど困難な事柄とは思えないのだが、、。

 

理事会の後任者を探すってのがオレには先決問題だが「毎月一度の会合で他人と話し合うのも脳を活性化するので野球や映画ばかり見ているより良いと思いますよ」、とは奥さんの言葉、そう言われちゃ返す言葉もない。まあ自分の買った物件の行く末を見守るって事にも繋がるのでこのまま現状維持も良いのかも知れない。

 

オーストラリア時代の理事会はそりゃ大変だった。あっちじゃ合計32戸で半数近くが賃貸物件だったので所有者(オーナー)は主に東海岸だったがシドニーとか別の土地に居住していた。年次総会には委任状提出が決まりだったが月例会議(二ヶ月毎)はメンバー6人の出席だけでその殆どは管理人の運営管理報告がメインだった。

 

タウンハウス内のメインテナンスに関してはその全てが管理人の裁量にかかっているので「ハイ、やっと来ます」とか「出来てます」だけじゃ済まないのである。幸いな事にモンスター・オーナーとかヘンテコリンな賃貸者(実際には多く居た)は理事会の目に触れる事がなく終始スムーズに遂行する事が出来た。それに比べりゃ現在のマンションの理事会なんてのは超がつくほどに手間はかからないし誰からも責められる事もない、。

 

それでも毎月第二土曜日の晩に早メシを食ってからアルコール抜きでエレベーターに乗り一階へ降りるだけでも面倒だ。