今季はドジャースで大活躍する大谷クン、余りにも個人情報を含む報道に憤慨したドジャース+大谷連合軍が日テレとフジTVに出禁を申し渡した。発端は彼がロスアンジェルス市内に購入した邸宅をドローンを使い空中撮影ししかも隣人にインタビューまで敢行していた事が発覚し球団側の逆鱗に触れたと言う理由だ。

 

メージャーリーグの各球団には報道規制が厳しく設けられている。球場内で選手のインタビューやら取材を行うのに毎回申請書を提出して許可を受ける手間を省く為に球団側は事前に申請のあった報道関係者に写真付きの許可証を発行している訳だが今回の行き過ぎた報道で日本の該当二社はその恩恵を剥奪されたって事になるのだ。

 

こいつは由々しき問題だ。報道する側は報道の自由を主張し全国のファンの要望に応えるのが我らの使命だ、と言う。じゃあプライバシーの侵害はどうなるんだ?っとドジャース側は断固として立ち向かう筈だ。そもそもプロのスポーツ選手の自宅や配偶者まで詳細に報道する必要があるんだろうか?大谷クンに先立ってメージャーに渡り大活躍をしたヤンキースに所属していた松井ゴジラの場合は今だにニューヨークに居住しているらしい、、と言うだけで奥さんの存在さえ一切公表されていない。球団の指針としては恐らくドジャース以上に報道規制が厳しいヤンキースなので引退した今でもご本人が率先して公の場に出て来ない限り今回ように報道各社が騒ぐことはないだろう。

 

個人的には今回の騒動に関して思うのは諸悪の根源はNHK BSの野球中継にあるように思う。日本でメージャーリーグの試合を報道してくれる唯一の報道機関だがメージャーには合計30チームがあって連日15試合が全米の何処かで開催されている。なのに中継するのは大谷クンが所属しているチームだけだ。これは余りにも大谷クン頼りになり過ぎで他の日本人選手が所属するチームや各リーグでトップ争いをしている試合は殆ど無視されているのが現状である。

 

恐らくNHKの上層部ではメージャーリーグ機構へそれこそ天文学的な放映権料を支払っているので大谷クンには貢献して欲しいと願っているし他の中継をしても視聴率アップはおぼつかないと言うだろう。なので連日彼の出る試合だけを中継しダッグアウトにもNHK独自のカメラを設置して試合中、一時も彼の表情を逃してはならない、、そんな図式が出来上がってしまう。じゃあ普段中継権のない民放はどうするんだ、、と言う事から冒頭の個人情報開示に走る過熱報道になっていると想像するのは容易である。

 

報道する側は視聴率アップを狙いかつ視聴者が望むから報道していると主張するのが常だが我らファンはグラウンド内での活躍さえ報道してくれればどんな豪邸に住もうが誰と結婚するか気にする必要はないのだ。なのにあたかも我々が望むからを免罪符にパパラッチもどきの民放の報道姿勢には首を傾げたくなる。

 

NHKにしてみりゃ大相撲中継で懸賞金が掛かり土俵を連なって垂れ幕を持ち回る際は取り組み表を表示したりして懸賞金を提供する法人名が映り込まないようにする、、ならば野球中継でもバックネットに入る訳の判らない日本語表記の広告は排除してくれないものだろうか?広告社側は日本で放映される事を織り込んでしかもNHKの電波に乗って全国へ配信出来るって現実には払う代価以上にもの凄い魅力である。

 

まあ、オレだって10年も前ならこれしきで目くじらを立てる事はあり得なかったがそれ以前にこの大谷翔平のような選手は存在していなかった。どうか球場内での活躍を報道するだけにして欲しい。昼のバラエティ番組やお笑い芸人のネタにだけはしないでくれと祈る気持ちでいる。