陝西南路駅界隈に集まるコピー商品売りたち | グッチのサイゴンせいかつ(旧:グッチのしゃんはいCook)

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2013年5月からサイゴン(ホーチミン)で生活しています。 グルメ情報、生活情報を中心に日々のあれこれを綴っています。2016年から愛知県在住。

2006年6月30日に閉鎖した、襄陽路の巨大偽物市場。
上海の目抜き通り淮海中路と襄陽路が交差した一角に存在していた。
ここは約800店舗の店が軒を並べ、有名ブランドの時計、カバン、衣服等のコピー商品を、主に外国人観光客相手に売っていた悪名高きスポットであった。
撤去されたあとは、偽物売りたちは様々な場所へと移っていた。
上海科技館駅地下の亜太盛匯広場、南京西路×成都北路の淘宝城、七浦路の服飾市場、古北の万科広場の地下等々・・・。
そして襄陽路偽物市場があった所はずっと工事をしている。
次は何が建つのだろうか・・・?

元・襄陽路偽物市場のすぐ東には1号線「陝西南路駅」がある。
駅には百盛(PARKSON)、巴黎春天などのデパートが連結している。
ここでは今でも偽物売りたちが毎日精を出している。
では、店舗がないのにどうやって売っているのか?
一見、誰かと待ち合わせている風のただの立っている人なのだが(それでもキョロキョロしているのが怪しい)、外国人等めぼしい”客”が現れるとポケットに入れていた折りたたみ式の紙を取り出し迫ってくる。
この紙には有名ブランドの時計、カバン等の写真が入っている。


トケイ、カバン、ミテ

トモダチ、カバンミテミテ

ミルダケ、ヤスイ、ヤスイ



こんな言葉をかけながらしつこくついてくる。
ついてくる距離は1ブロックぐらいの時もあるから、鬱陶しいことこの上ない。
以前、陝西南路駅のパークソン前で待ち合わせをしている時に
相手が遅れてくるということで15分ぐらい待たなければいけない機会があった。
私が日本人だと目をつけた偽物売りたちは、すぐさま近寄って来て、
あっという間に5、6人に囲まれてしまったことがある。
そしておなじみの「ミテミテコール」をかけてくる。
普通は、上に記した程度のカタコト日本語しかしゃべれない人が多い中、
この時はわりと普通に日本語で会話できるぐらいのレベルのおばさんがいた。
相手が到着するまで10分以上あったので、私はこの人たちと世間話をしてみることにした。

中でも私がずっと気になっていたこと、
それはこの偽物売りたちの声掛けが”なれなれしすぎる”ということ。
私はそれをおばさんに伝え、本当に商品を見てもらいたいのなら「ミテミテ」ではなくて、「ミテイキマセンカ?」とか「ミテクダサイ」の形の方がまだ受ける感じはいいよ、ということを伝えた。
この「ミテミテ」「トモダチ」などの言葉、誰かが発したことをきっかけに他の人も覚え、この業界の人たちの間で使いまわしなんだろうな。


今日も陝西南路駅ではコピー商品売りたちが獲物を狙っている――――――。



淮海中路×襄陽路で客を待つコピー商品売りたち