イタリアのひと、こと、ものとほん -2ページ目

イタリアのひと、こと、ものとほん

non ragioniam di lor, ma guarda e passa.

癒される画像置いときますね…。





photo by -Jérôme-/Pommiebastards


ではなく。

これは南仏のヴォークリューズという村の風景。世界最大級の湧水量を誇る泉で名高い、アヴィニョンから20KMほど東に行った郊外の村だ。


ペトラルカはアヴィニョンでコロンナ家という有力な貴族のお抱え詩人として、また時には外交使節のような仕事もしていたそうだが、都会の喧騒に疲れたときは、このヴォークリューズで過ごしたらしい。


代表作「カンツォニエーレ」ではヴォークリューズをイメージしていたと思われる、緑豊かな、風そよぐ水辺が登場したりもする。というわけで、文章力に自信のないわたくしは写真の力を借りて、読者の皆様にはあらかじめイメージ画像をお持ちいただいた上で、カンツォニエーレの一節を紹介しようと思ったわけである。


まず紹介しておかねばならない、詩人にとっての心の恋人が「ラウラ」である。私はこの「イタリアの詩人と心の恋人」の構図が大好きなのだが、シリーズ化できないだろうか…。まだまだ書きたいネタはある。



さて、ご想像の通り、ペトラルカとラウラは恋人同士、ではない。想いが報われるどころか、ラウラはこのカンツォニエーレの半ばで亡くなってしまうのだ。あれ?どこかで聞いたような…


そう、ダンテの「新生」だ。ベアトリーチェと出会い猛烈な恋に(一人で)落ちたダンテだったが、愛しい人は若くして天へと召されていったのだった。

この一見したところそっくりな「詩人と心の恋人」の構図、実は「恋人」の最終的な位置付けが異なるのだが、ひとまずその件は置いておいて、今日はラウラがとても魅力的に描かれている箇所をちょっと紹介させていただこう。



Da' be' rami scendea,

(dolce ne la memoria),

una pioggia di fior sovra 'l suo grembo;

et ella si sedea

humile in tanta gloria,

coverta gia' de l'amoroso nembo:

qual fior cadea sul lembo,

qual su le treccie bionde,

ch'oro forbito et perle

eran quel di' a vederle;

qual si posava in terra, et qual su l'onde;

qual con un vago errore

girando parea dir: 《Qui regna Amore》.



花の雨=una pioggia di fior

膝=grembo

裳裾(衣のすそ)=lembo

金の編み毛=le treccie bionde

磨かれた金=oro forbito

真珠=perle

美しく旋回するさま=un vago errore


このときめきを感じずにはいられないキーワード群をご覧いただきたい。思わずパステルカラーで文字を打ってしまった。


降りしきる花の雨。

腰をおろす美しい恋人の服のすそに、綺麗に編まれた髪の毛の上に、花びらがひらひらと落ちてくる。

美しく旋回しながら、あるものは地上に落ちる。あるものは水面にふわりと落ちる。


本当に美しくて、真珠のようにまぶしくて、目の前がちかちかする。気がする。

ラウラ、これは恋に落ちずにはいられまい。


ちゃんとした訳は後日掲載させていただきます。



誰か、これ映画にしてくれませんか。短編でもいいんで。

このシーンを映像として観たい、という人は多いはず…だよね?


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