先週の金曜日、4月3日。
東京に行った。
それは急きょ、前夜に決めたものだった。
かつてのビジネスパートナーA氏からLINEのメッセージが来たのは、
前日2日木曜日の18時40分のこと。
「○○さん近々例の新宿中華昼飲み行きませんか?!」
(注:○○は自分の名前)
ただ、それだけ。
A氏とは一昨年の年末に会ったきりだ。
「例の新宿中華」は、
2次会で行った店である。
その日は、極めて有能なビジネスパートナーH氏との3人での呑みだったが、
2次会はA氏との2人だった。
「お久しぶりです」
も、
「お元気ですか?」
もないのが、A氏らしい。
科学的な根拠がないという血液型起因の性格診断に頼れば、
典型的なO型らしいといえる。
昼呑みできそうな候補日を、お互いにやりとりした。
近日、合いそうな日はなかった。
またの機会に、となりそうだったのだが、
A氏からはさらにメッセージが来た。
「定時上がりの5時半定時上がり飲みでよろしければ明日にでも行けるんですが
成田からだとなかなかにキツイですよね」
(原文ママ)
昼の誘いが夜になった。
しかも、翌日。
これも、
科学的な根拠がないという血液型起因の性格診断に頼れば、
O型らしいといえる。
こちらはヒマ人。
キツイこともない。
断る理由はなく、東京行きを決めた。
むしろ、誘いは嬉しいものである。
金曜日。
泊りか日帰りか迷ったが、
泊まることにした。
帰りを気にして呑む酒は美味くない。
朝、楽天トラベルから予約したのは、
新宿駅近くの「景雲荘」だった。
初めての宿泊である。
バストイレ付きの和室で1泊素泊まり8,000円だったが、
貯まっていたポイントを使って6,900円で予約できた。
東京の宿としてはお得に思えた。
午前中は、
いつもの休日のようにスポーツジムで身体を動かした。
そして、
国際医療福祉大学成田病院14時37分発の高速バスで
東京駅へと向かった。
乗車時の乗客は自分のみだった。
車内から花見ができた。
三里塚交差点付近。
三里塚第1公園。
東関道富里インター近くの新木戸大銀杏公園。
各バス停で乗客を拾った後、
東京駅日本橋口には定刻より数分遅れて16時半前に着いた。
JR中央線快速で新宿へ行く。
新宿駅南口に下り立つ。
宿の住所は新宿区代々木。
新宿駅から近いながら、わりと静かなエリアだ。
新宿には幼少時から幾度となく訪れているが、
この辺りは意外にも未踏の地と思われる。
看板も発見。
この道ではないよ、という意味のようだが、
無視して直進。
結果として遠回りして宿に着いた。
17時になろうかというころだった。
館内に入る。
狭いスペースの右側が帳場(フロント)だった。
落ち着いた風格ある男性(ご主人?)がいた。
記帳する。
門限が深夜12時であることを強調された。
部屋は2階。
階段下まで案内された。
自動販売機の場所と、
部屋にほうじ茶が入ったポットがあることも伝えられた。
入館直後から、
トランプ大統領がどうのこうの、
というような音声がずっと耳に入って来る。
てっきり、帳場のテレビの音声かと思っていた。
ところが、
宿の方が廊下へと導いてくださった際、
「ちょっと静かに」
のようなことを言われた。
ポケットに入れていた自分のスマホから発する音声だったのだ。
知らぬ間に、
何らかの動画がオンになってしまっていたらしい。
普段から、
外で動画サイトを見ることはまずない。
恥ずかしくなる。
謝った。
階段で2階へ上がる。
そして、部屋へ。
入口から靴のまま来たが、
部屋の扉を開いて靴を脱ぐ。
6畳の和室だ。
ユニットバスも付いている。
トイレは洗浄便座ではないが、
この料金だから多くを望むのが間違いというものだろう。
部屋からの眺め。
布団は敷いてある。
室内は清潔感がかなりある。
冷蔵庫はないけれど、それも承知で泊まればいい。
ほうじ茶をいただいた。
ひと休みした後、出かけることにする。
廊下。
帳場で部屋の鍵を渡すと、
門限12時であることをまたも念押しされた。
それだけ、守らぬ客がいるということなのだろう。
あるいは、夜遊び系と思われたのか。
「必ず帰ります」
と、宣言して宿を出た。
金券ショップなどをのぞいた後、
向かった先は「思い出横丁」である。
A氏から指定された「例の新宿中華」はここにある。
こちらの「岐阜屋」だ。
朝の9時から営業している有名店。
18時ころ、無事に空席を見つけて入店できた。
1年3カ月ぶりに、仕事帰りのA氏と乾杯。
餃子、木耳玉子炒めは、前回A氏絶賛の品。
しかし、撮影を忘れた。
それほどの時間を過ごしたということである。
もっとも、こちらはもっぱら話の聞き役である。
それでいい。
画像に残っていたのは、
もつ煮込みとザーサイ。
独りで呑んでいた先客に話しかけられもした。
「どういうご関係ですか?」
と隣客。
「元上司です」
とA氏。
上司という立場を感じることはほとんどなかったが、
組織を去って10年経ってもなお呑み語れる場があるのは嬉しい。
都内に一棟買いの不動産を持っているとか、
暗号資産が10倍になったとか、
隣客のそんな話を、
やはり聞き役として過ごした。
一方、
反対側では、
観光客とおぼしき外国人が独り静かに餃子を味わっていた。
最近ではすっかり隠居生活が馴染んではいるが、
たまに街中に来ると刺激に満ち溢れた空気を感じる。
2時間あまり過ごした後、店を出た。
ごちそうさまでした。
こちらは泊まり。
あちらは休前日。
当然、次。
A氏が行ったことがあるという店に向かった。
西武新宿駅近く、
歌舞伎町の居酒屋だった。
金曜日なので賑わっていたが、待たずに入れた。
乾杯。
魚がメインの店らしい。
なんとなく食べたくなったくじらベーコン。
その他、詳細は忘れたがいろいろと注文し、呑んだ。
ごちそうさまでした。
A氏は、
二人目の子どもが生まれるということ、
ひと回り以上年齢が下の奥様は、
お盆頃まで実家に帰省中であること、
それまでは独りで遊びまくるつもりであること、
等々を熱く語っていた。
とりあえず子孫を残す使命を果たせたので、
後はいつでも別れられる、とも。
親御さんや奥様も異論はないという。
世の中、そんなものなのか、
と考えさせられたりもした。
22時半前に散会。
新宿駅前でA氏と別れた。
歩いて宿に帰れるというのは楽だ。
門限の12時より1時間以上早く、23時前には宿に戻れた。
帳場では部屋番号を伝えるより前に、部屋の鍵を渡された。
門限前に帰館の約束は果たせた。
宿への帰り途中、
コンビニとマクドナルドで買った品々。
当然ながら、平らげられるはずがない。
少し口をつけた後、いつものように寝落ちしてしまった
気づけば深夜。
ダブルチーズバーガーは、すっかり冷たくなっていた。
翌4月4日土曜日の朝。
8時過ぎには起き、身支度を進めた。
あらためて部屋に飾られた絵を眺めれば、
函館の街が描かれていた。
函館には母、姉と訪れてから、
もうすぐ10年になるか。
姉の病気もあって、
今年の春は二人が住む湯河原には行けなかった。
近いうちにまた会いに行こう、などと思う。
宿を発ったのは9時ころだった。
帳場には上品な雰囲気の女性(女将さん?)がいた。
「ゆっくりお休みになれましたか?」
と、優しく品良く声をかけられた。
機転の利いた返答ができなかったが、
気持ち良く宿を去ることができた。
外は曇天だった。
昼前には雨が降り出すとの予報である。
迷ったが、墓参りに行くことにした。
今年初。
お彼岸にも行かなかったのだ。
都下の霊園へ行く。
草木を刈った。
越したのは冬で、
それほど荒れてはいなかった。
花を供え、線香に火を点けた。
手を合わせる。
懐かしい人たちの顔が、
わずかの間だけ鮮明に浮かんだ。
まさに墓を去ろうかというころ、
ポツポツと雨の気配がしてきた。
土曜日である。
声をかければ、
誰かは昼呑みに付き合ってくれたかもしれない。
しかし、
こちらは翌朝からシゴトの予定が入っていた。
おとなしく帰ることにした。
なにより、
天気も悪くなり、気分も落ちる。
東京駅12時03分発の特急「成田エクスプレス23号」に乗車した。
静かな車内。
買い物してから帰宅した。
前夜も食べたのに、また餃子を欲した。
黙々と作って包んで焼いた。
そして、また独りで呑む午後となった。
予報どおり、窓の外は雨である。
どうでもよい話ではあるが、
このブログは2100回目になるらしい。
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